『仮面ライダードライブ』第11話感想 ～サプライズにやられる野郎ども・Part２～
女性幹部の初登場を蹴散らす霧子の私服。
ヒロインの座は渡さん……！ 詩島霧子の意気込みが迸る！
さておきボルト編の最終話。と同時に、第１章終了、ということでしょうか。
『鎧武』や『ウィザード』もクリスマス後に新展開だったし、秋スタートの平成ライダーでクリスマスを一区切りにするのはもはや定番になりましたね。実は秋スタートのトップバッターである『W』ではクリスマス回がなかったりするんですが、
風都にはいつでもサンタちゃんがいるからな。
ともあれ巨大戦にくわえて、新幹部・新ライダー登場など盛りだくさんの回でした。ちょっと詰め込みすぎかなあ、と思わなくもないですが。
この11話は何と言っても、見事な映画宣伝回。
回想でさらっと処理されましたが、事件解決の鍵を握る西堀光也は、入場者特典「第０話DVD」にて登場し、進ノ介と早瀬に逮捕された元・犯罪心理学者の誘拐犯です。
さらにそいつの口から「ルパンとやり合ったのか？」と言わせることで、映画の内容もひそかにアピール。
まさかこの冴えないオッサンがここまでの働きをするとは。
ぽっと出の「かつて主人公が捕まえたことがある犯人」をキーパーソンにするというのは、刑事ドラマとしてはちょっと反則くさい気がしますが、映画とのコラボなのでギリギリ許容範囲、といったところ。
そして引っ張りに引っ張ったボルトの目的は、「暗黒の聖夜」の再現と同時に、活動を停止していた幹部・メディックを甦らせるためのエネルギーをかき集めることでした、と納得のいく展開。
ハートとの激突は魔進チェイサーの乱入で中断、新たなシフトカーの活躍でドライブも窮地を逃れる、と違和感なく処理。進ノ介の誕生日ネタも、霧子との約束→特状課メンバーのサプライズ忘年会、というお笑い寄りの落とし方で片付けました。
しかし、やっぱり三条陸に男女の関係書かせるのは無理なのかな……と今回で再認識。
いくら子供向け番組だとしても、なんというかセリフ回しが幼い。それともこれが今の仮面ライダーで描ける限界ということなのか。「おめかししてこいよ」なんて成人男性が女の子に言うか……？
男女の機微は井上敏樹に任せろー！
しかしドラマパートがうまく転がる一方で、クライマックスであるバトルシーンは今回ちょっといまいち。
前回のハート戦で盛り上げすぎた、ということもあるのかもしれませんが、変身シーンが適当でそこにカタルシスがないし、タイヤコウカンも少なく、巨大戦もあっさり終了。蜘蛛っぽい巨大な敵のデザインもシンプルと言えば聞こえはいいけど、悪く言うと地味。
そして何より、
さんざん使ってきたオープニング「SURPRISE - DRIVE」をここで使わないのかよ！
という驚き。
直前のトッキュウジャーが、OPのフルをBGMにしてロボ活躍をド派手に描いていたので、リアルタイムで見てるとなおさら『ドライブ』のアピールの弱さが際立った形に。
OPを使わないなら使わないで、新しいエンディング（挿入歌）でも流してくれていれば印象がぐっと良くなったのだけれど、そういうのも無し。
『ドライブ』はこのまま挿入歌なしで行くのかな……。それはそれで寂しいなあ。
多彩な挿入歌が平成ライダーの大きな魅力のひとつだと思っているので、ここぞというところでバシッと使って大いに盛り上げてほしいのですが。
さて、今週は数々の新要素に混じって、ついにチェイスの新たな姿（ロイミュード形態？）がお披露目。
胸に000のナンバーを持つこの形態は「プロトゼロ」。口ぶりからするとチェイス自身も目にするのは初めてのようですが、果たして。
その出自は謎ではありますが、なんとなく「こうかな……？」というおぼろげな予想がついてきた感じ。
名前やナンバーから推察するに、108体のロイミュードたちの試作品と考えるのが妥当ですが、色々と想像が膨らみます。
ひょっとすると「MOVIE大戦」で登場した強化ロイミュード・サイバロイドZZZとのリンクもあるかな……。サイバロイドのボディには人間の精神を移して生き長らえることができるとのことなので、
チェイス（プロトゼロ）がかつてのプロトドライブであった、というよりは、
プロトドライブの変身者をコピーしたサイバロイドがチェイス（プロトゼロ）であるという方がしっくりくるかな、と。
その場合、プロトドライブ本人はすでに命を落としているということになるでしょうか。「仮面ライダーは二度死ぬ」という前回のハートの台詞からしても死んでいると考えられますが、どうなるのか。
次回は年内最後の放送、新ライダー登場ということで。
予告を見た限りではカメラを構えていましたが、２号ライダーオマージュのカメラマンキャラかしら。
しかし「このライダー、〝ライダー〟！」は卑怯だよなあ。
