横須哲斗のごった日記

仮面ライダーを中心にまったり語るブログ。アニメ・漫画・小説・ゲーム・映画など諸々。

『仮面ライダーゴースト』第1話感想 ~目覚めろ! その魂~

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のっけから海岸で宮本武蔵の能力に開眼するという渾身のギャグ。

●あらすじ

第1話「開眼! 俺!」(脚本・福田卓郎 監督・諸田敏)

主人公・天空寺タケルは幼い頃に父親を亡くした英雄好きの青年。
父の最後の言葉は――〝英雄の心を学び心の目を開け〟
10年が経ち18際の誕生日を迎えたタケルに亡き父から眼魂(アイコン)が届いたことから運命が動き出す。
眼魔(ガンマ)と呼ばれる見えない存在が見えるようになり、仲間を守るために戦うもあえなく命を落とす。
死の淵でタケルが出会ったのは自らを仙人と呼ぶ不思議な存在。
仙人から仮面ライダーゴーストとして戦う力を得てこの世に戻ってきたタケルだが完全に生き返ったわけではなく〝条件〟つきでゴーストとして甦ったのだった。

再び消えるまでの時間は99日
生き返る条件は〝英雄の眼魂を15個集める〟こと
戦う敵はアイコンを狙って怪事件を起こすあの世の存在――眼魔
「俺はもう後悔しない。俺が皆の命を守る」
英雄の力を身に纏い運命に立ち向かう!
東映公式サイトより)

 

●今回のポイント

・及第点の開幕、ではあるが……

街に異変が起こり、人々を襲う一方でアイコンを狙って(探して?)いるらしい怪人。
果敢に立ち向かう主人公は歯が立たず、変身して戦う力を得る……という王道パターンの開幕。
一度死んで甦るという部分は予告でばっちり見せていたので、主人公が死んだというインパクトは正直あまりなかったのですが……。
「1話で主人公が殺される」という要素が放映まで隠されていたらもっとインパクトのある掴みになったような気はする。
物理学専攻の幼馴染と寺の住職とのやり取りでキャラ見せをしつつ、主人公と父親についても最低限の情報は提示していたので、メインキャラの関係についてすんなり理解できたのはよかったところ。

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ひとつダメ出しをしたいのは、「主人公が殺されて甦る」という根本のドラマパートが正直しょぼかったこと。
主人公の「死にたくない/生きたいという気持ち」があまり伝わってこなくて、致命傷を食らってから生き返るまでの一連の流れはぶっちゃけ微妙でした。

ただまあ、脚本・演出・役者それぞれに制約があったようなものなので仕方ないと言えば仕方ないところではあります。
初特撮脚本で20分強で死んで生き返って活躍するところまで描かないといけないし、
朝の子供番組で血反吐まみれのドロドロな殺され方をさせるわけにもいかないし、
初出演・初主演のドラマで第1話から未練たっぷりに死ぬ演技をしてみせろというのも酷な話。

物語のメインディッシュは生き返って変身して怪人を快刀乱麻にやっつけちゃうことなので、あまりそこに拘泥するのも無粋かな、とは思うのですが。
仮にも作品の顔である主人公が死ぬ、という最重要シーンなんだし、もっと色んな意味で「汚い」方が私好みだった。

 

で、タケルが行動する動機、生き返りたいと願う動機も、盛り込みすぎな気がしたのですよね。
「父親のようなゴーストハンターになりたい」から
「心の目を開けという父親との約束を守りたい」
「アカリと御成を助けなければいけない」
を経て、そこから一気に
「みんなの命を守りたい」
まで飛んだのはちょっと予想外。
1話でそこまで主人公の意志を持っていきたいなら、ゴーストハンターとは何なのか、父親がゴーストハンターとして人を助けていた、くらいの描写が欲しかったかなあ。
父親が死ぬシーンの背景に一般人風のモブでもいればまた印象が違ったかもしれない。まあ主人公の戦う動機は2話以降でどうとでもなる要素ではあります。


あと、実は仮面ライダーゴーストとして力を得ることで上記の動機はおおむね叶えられてしまっているので、早めにタケルが人間として生き返りたい理由を描いてほしいな、と。

・アクションは新鮮だけど地味?

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例年通りデザインはあれこれ言われていたゴーストですが、なかなかどうして、変身から戦闘に至るプロセスは面白かったです。
基本の変身にフォームチェンジ、メイン武器のギミックもバイクアクションも見せ、と短い時間の中に一通り詰め込んだ充実感のあるバトルシーン。
海岸で宮本武蔵の力を使って戦うというシチュエーションも申し分なし。
敵を蹴りつけたり斬ったりした時の墨汁が飛び散るようなエフェクトも血しぶきのようなダメージ演出としてグッド。

ただどうも、よく言えば堅実なのですが、1話にしては地味。
こればっかりは視聴者の慣れの問題でして。
車でピンボールして飛び蹴り決めたり、
果物のオーラで敵を包み込んで真っ二つにしたり、
バイクとドラゴンが合体したり、
腕のロケットで飛んでドリルキックしたり。
1話からインパクトのある決め技が続いていたせいか、エフェクト付きで蹴ったり斬ったりしているだけの、ふつーの戦闘シーンがかえって新鮮。
良くも悪くもオーズ1話の戦闘を見てる感じ。安心感があった。

●次回は?

さっそく第3のフォーム・エジソン魂が登場するようですが、今作はどれくらいのペースで新形態が出てくるのかなー。
しかし「町の怪しげな発明家おじさん」って特撮やアニメではたまに出てくる(『ドライブ』にもいた)けど現実には全然いないよね。あれいつ頃から出てきたイメージなんだろう。いわゆるサポートメカ開発担当のお助け研究者とはまたちょっと出自が違うようにも思うし。
阿笠博士?