『侍戦隊シンケンジャー』簡易感想その4 ~スネークオルフェノク、武士になる~
9月20日&27日配信分。
●第七幕「舵木一本釣」
今回「お、いいな」と思ったのは、千明とことはが被害者の安否を確認してたところ。なんとなくこの二人の方が、殿様と茉子よりも被害者に駆け寄っていきそうなイメージがあります。
メインである流ノ介の覚悟の再確認は、わりと王道というかベタながらすっきり。
殿様に仕えるという行為は刷り込みによるものではないのか? という問いかけに対して、丈瑠だから一緒に戦うと決めたのだ、と改めて自分の意思を確認。そのうえで、「もちろん勝つつもりでいますけどね」とポジティブさも覗かせる。他のメンツがちょっとひねたところを持っているだけに、際立ちます。
ゲストキャラである漁師のおっちゃんが一度は辞めた黒子に戻って、自分の顔を隠すラストもよし。
おっちゃんが黒子であることを踏まえて見てみると、冒頭の食事シーンで給仕をしたり流ノ介を籠で運んだりと、今回は黒子がけっこう目につくように配置されている印象。
●第八幕「花嫁神隠」
意外と早かった? 敵幹部に焦点を当てたエピソード。
敵の作戦が既に進行中で、それに対抗するために囮作戦を仕掛けるという冒頭はやや変則的でしたが、この手のコスプレ回は戦隊でも鉄板ネタですね。流ノ介の女装も歌舞伎役者という設定を活用することで違和感なくハマりました。
太夫がアヤカシからよく思われていないらしいことはさんざん描かれていますが、花嫁の絶望を材料に打掛を完成させる、という今回の目的を見る限り、結婚に対する? 未練がたらたら、という様子。
他の連中は勝手気ままに生きつつもドウコクを認めていて、一緒に三途の川あふれさせてやっか、という昭和の不良みたいなノリを感じるのですが、大夫は出自からして違いそう。
結婚ネタということで、茉子との絡みが今後ありそう。
現在放映中の『トッキュウジャー』でもグリッタ嬢が望まぬ結婚を前に一悶着起こしていましたが、さて今作ではどう転ぶか。
新幹部の十臓は、今回はとりあえず顔見せだけ。声を当てているのは『仮面ライダー555』をはじめ平成ライダーで活躍した唐橋充さんですが、顔出し出演はあるのかな。
●第九幕「虎反抗期」
と思ってたら普通に顔出しで出演した……。
前回に続いて、戦隊シリーズの鉄板ネタ、「メンバー&メカが操られる回」がここで来ました。
他の歩行系折神がぎこちないなりに「歩く」アクションをしてたのに対し、足は飾りと割り切って車輪走行する虎折神のデザインが素敵。
四肢がドリルじゃ走るのは無理だ。
「殿様としての顔を崩さないから100%信用できない」という千明の台詞が素晴らしい。
少しずつ歩み寄ってはいるものの、いまだお互いに心からの信頼を築くには至っていない、殿と家臣。こういうエピソードで「丈瑠なら流ノ介をやりかねない」と思わせるにはメンバーの関係が固まってからでは遅いし、あんまり早すぎるのも問題があるので、タイミングとしてはベストだったか。
一方で、どうやら前回の手合わせで殿様の剣技に一目置いたらしい十臓。好敵手と認めていろんなところで乱入してきそうな香りがします。
幹部が人間態で出てくると、戦隊メンバー側に正体バレすることもないし、今後も色々と活用できそうですが、さて。
●第十幕「大天空合体」
茉子は戦闘面における能力の強調が特にこれまでなかったのですが、「モヂカラの扱いに長けている」という設定がここで登場。
総合力と応用力では丈瑠がトップ、剣の腕では流ノ介とことは、モヂカラのテクニックでは茉子と、一通りメンバーの強みが出揃いました。
千明は未熟だけど爆発力は一番とか、そういう方向に行くのだろうか。
しかし子供の視聴者を考えてのこととはいえ、高校を卒業した人間の悪戯としては低レベルというか、可愛いもんだよなーと。
千明くらいの年頃になるともうちょっとワルいこととかスケベなことを考えつきそうなもんですが。やはり侍の家庭で育てられたおかげで、純粋なのかしら。
他のメンバーも全体的に無垢というか、世間慣れしてない感じがつきまといます。茉子ですら結婚にはなんかこうピュアな憧れを持ってそうだし。
そして刀に向かってぶつぶつ言うだけだった十臓、そろそろ本格的に活躍。