横須哲斗のごった日記

仮面ライダーを中心にまったり語るブログ。アニメ・漫画・小説・ゲーム・映画など諸々。

映画『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』感想 ~犯人の顔ベタベタになってそう~

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最近『仮面ライダークウガ』配信を観るためにGyaOを利用するようになったのですが、やたらと『名探偵コナン』の更新が多い気がします。

テレビ版も有料・無料併せて結構な数が配信されていますし。全部チェックしてる人いるのかなあ、これ(笑)

 

というわけで、今日は先月GyaOで配信されていたこの一本。残念ながら今は有料配信になっていますが、無料期間中に観て、感想を書こうと思いつつ忘れてたので。

もうそろそろ20本の大台に乗りそうな劇場版コナンの中でも、この第4作『瞳の中の暗殺者』がベストではないかと個人的には考えています。昔は『天国へのカウントダウン』が好きだったんだけど、年が経つにつれて好みが変わってきた。

本作『瞳の中の暗殺者』、何がそんなに面白いのかと言いますと、

終盤のクライマックスに諸々の要素が収束する気持ちよさ。

これに尽きます。

冒頭のトロピカルランドでの一幕、プロポーズの言葉、ダイイングメッセージ、何気なく挟まれる電話、硝煙反応が出てこないトリック。ラストに盛り上がりのピークを持ってくるためのシナリオの逆算がきっちりできています。

散りばめられていた要素が謎解きから犯人逮捕までの短い時間で次々と明かされていき、そしてあのシーンへ。

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新一がいなくなった日、2人で一緒に見た噴水。

記憶を失った日、最後に目撃した風戸の手。

この「噴水の壁から手と拳銃を突きつける」というワンシーンのためにこの映画はあります。

「蘭が記憶喪失になる」というのが公開当時の本作の一番キャッチーな部分だったわけですが、同時に一番の弱みになりかねない部分でもありました。仮に出来の悪い脚本であれば、話題重視でゴミみたいなストーリーにしやがった、という批判は免れなかったことでしょう。

蓋を開けてみれば、今作のシナリオや演出はシリーズの中でも群を抜いていたわけですが。自分のせいで知人が殺されかけたショックで記憶をなくすというのは説得力があったし、冒頭で遊園地のシーンを入れたからには遊園地で思い出すんだろうな、という想像もつくのですが、それでもこの「噴水から腕」というワンカットのインパクトにはすごいものがあります。そりゃ蘭も全部思い出すわな、という納得の展開。

銃弾がかすめた缶コーラを見たコナンは、噴水に向かうことを思いつく。
結果として蘭の記憶を戻すことに成功すると同時に、缶を蹴って風戸を倒すものの、中身がこぼれていたことによって威力が足りず、気絶には至らない。
そしてそこで、記憶を取り戻した蘭の見せ場にもつながる。

本当によくできています。

 

あとはアクションにも多少なりとも説得力がある、というのも大きいかな。

監督がこだま兼嗣氏でなくなってからコナン映画はアクション偏重になっているところが少なからずある、というのはファンなら誰でも感じていることでしょうが、アクション要素自体は第1作『時計じかけの摩天楼』からずっとあるんですよね。

今回の主なアクションの舞台は近所の遊園地・トロピカルランド。当然これまでにも行ったことはあったでしょうし、新一は蘭とのデートに備えてか、噴水の時間まで調べているという徹底ぶり。

そんな裏の裏まで知りつくした場所だからこそ、拳銃で追いつめられながらもそれを逃れるという無茶なアクションにもちゃんとリアリティがある。

さすがにスケボーアクションはちょっとご都合というかアクション優先ですが、豪華客船だの飛行機だのといった場所でスパイばりのアクションをかますよりはいくらかマシかと。

 

他にもクライマックスのコナンの服が冒頭で新一が遊園地へ行った時の服と合わせてあるとか、細かいネタに事欠きません。登場人物が多くて一回観ただけだと少々わかりづらいのですが、繰り返し観てると新しい発見もあったり。

コナンの映画は必ず冒頭に人物やストーリー紹介が挿入されるので、基本情報を知らなくても見やすくておすすめです。

今作のストーリー紹介では少年探偵団がハブられてるんですけどね……。