『蒼き雷霆 ガンヴォルト』プレイ感想その1 ~痛さは強さ~
20日から配信がスタートした、ニンテンドー3DS用ソフト『蒼き雷霆(アームドブルー)ガンヴォルト』。ダウンロード専用なのがめんどくさいですが、1,960円とお手頃価格。
ロックマンシリーズを手がけた稲船敬二氏が参加、開発会社がインティクリエイツだけあって、『ロックマンゼロ』『ゼクス』の流れを汲むゲームです。
古き良き横スクロールアクションで、ゼロシリーズファンの私は長らく楽しみにしていたのですが、こちらの予想を軽く超えていく面白さだったので紹介。
ウリのひとつは、なんと言っても多彩なアクション。
プレイヤーが操作する主人公・GV(ガンヴォルト)は、雷を操る「雷撃燐」という超能力者。銃弾の代わりに避雷針を敵に撃ち込み、電撃を敵に放出することで倒す……というのが、主な戦闘方法。
銃だけでもダメージを与えることはできますが、威力は微々たるものなので、基本的に電撃で戦うことに。
このほか、
・エレベーターに通電して動かす
・足場を引き寄せる
・実弾攻撃を防ぐバリアを展開
・磁力によるホバリング
などといったアクションが可能。
電気という様々に応用可能な能力を、避雷針を撃ち込むというアイデアと組み合わせることで、仕掛けを解いていく楽しさが生まれています。
最初のステージでボスが連射してくるミサイルを簡単に防ぎきれた時には、「こんな強すぎる主人公で大丈夫かよ……」とちょっとバランスに不安を覚えたり。
さらにGVには電磁結界(カゲロウ)と呼ばれる能力がデフォルトで備わっており、電撃を出していない時はオート回避が発動するという無敵っぷり。
しかし雷撃燐と電磁結界はエネルギーゲージを共有しているので、攻撃タイミングに気をつけないとオート回避が発動せず、ボス戦などでごっそりダメージをもらいます。
このへんの見極めもまた楽しいところ。
一方で、「ライトノベル2Dアクション」と銘打たれた本作は、ロックマンシリーズと比べて厨二病全開なシナリオが特徴。
人類の中に第七波動(セブンス)と呼ばれる超能力者たちが現れるようになった近未来。
大きな混乱が起きるかに思われた社会は、巨大企業・皇神(スメラギ)グループの保護・統制によって、安定した秩序が保たれていた。しかし皇神グループは、保護や研究の名目でセブンスたちを密かに拘束し、非人道的な人体実験を加えていた。
これに対し、皇神の実態に気づいた者たちによってレジスタンス「フェザー」が結成され、皇神への抵抗運動を開始。
フェザー所属の能力者・ガンヴォルトが、皇神グループのバーチャルアイドル「電子の謡精(サイバーディーヴァ)」モルフォの抹殺任務に出撃したところから、物語は始まる……。
と、イントロダクションでもうお腹いっぱい。
本作がどれくらい厨二か、というのは、必殺技発動時のカットインを見てもらえればわかることでしょう。
もれなく「迸れ!アームドブルー……!」のボイスつき!
いたたたたたた。
なにしろGVは14歳という設定なので、ついついこういう詠唱を考えたくなるお年頃。
そして本作を特徴づけているのは、戦闘中に流れる「歌」です。
敵から攻撃を受けることなくこちらの攻撃を当て続けると、「クードス」と呼ばれるポイントが溜まっていきます。いわゆるコンボですね。
で、これが1000ポイントを超えると、BGMがモルフォの歌に変化。2000円未満のゲームでありながら、全8種類の歌が入っているという地味に豪華な仕様。
また拠点でヒロインとの交流を深めていれば、死亡時にモルフォの能力による蘇生が発動、一時的に強化された状態で戦うことができるという、反則スレスレの大技があります。
序盤のステージでこの恩恵がさっそくあったんですよ。
敵ボスの必殺技で死亡→蘇生してパワーアップ→こちらの必殺技で撃破
という、まさに漫画かライトノベルか、と言わんばかりの展開。
ハイスコアを狙ってやり込むだけでなく、格好いいアクションやシチュエーションを考えて、それを再現できる、という楽しみ方もできます。
総じて、横スクロールアクションが好きなら買っても損はしないデキ。3DSのダウンロード専売、というのが面倒なのは確かですが。
問題は難度高めの箇所がいくつかあることでしょうか。オート回避や蘇生といった能力ありきのバランスになっている部分があるので、この手のアクションがド下手、という人は慣れるまでつらい思いをするかも……。
あと、各ステージでの敵キャラや味方との会話が画面の下半分を占拠するので、特にボス戦で非常に戦いづらいというのも大きな欠点。
とりあえずまだ前半なので、一通りクリアしたら改めて感想を。