『仮面ライダードライブ』第30話感想 ~1号ライダーの本領発揮?~
作中でライダーシステムを開発された順序で言えば1号となるチェイス。
前回は混乱する後輩を叱咤していましたが、今回は剛の首筋をばっちり確認、霧子を気遣ってみせるというイケメンぶりも発揮。
ついでにプロジェクターとなって視聴者の笑いも取る。
▲ベルトさんのなんとも言えない表情がたまらん。
味方になってからというもの、八面六臂の大活躍……!
第30話「真犯人を語るのはだれか」(脚本・香村純子 監督・田崎竜太)
被害者の女の子が語るのかと思ったら最後にチェイスが全部持っていったの巻。
001の能力も明かされ、剛がロイミュード側についた理由も判明して、収まるべきところに収まった回でした。
今回のポイントは、12年前の事件を目撃した少女・ゆかりに対して詰め寄る霧子と、それを諭す進ノ介の姿。
前回はとにかく暴走車と化していた進ノ介ですが、私情を押し殺して市民を守るのが自分の役目だと反省。
割と序盤から本人が「俺は市民を守るんだ!」と言ったり、剛に「ドライブは人を守るライダー」と言わせていたりしたので、今回の進ノ介の行動はストレートに納得できたところ。
というよりむしろ、父親との関係性をろくに視聴者に明かしもしていないのに「親父の仇はどこだー!」と激昂していた前回の方がちょっと不自然と言えば不自然なのですよね……。
あと、ちゃんと「すみませんでした」と並んで謝罪する進ノ介と霧子の姿が好印象でした。
そうだよな、きみたち警察官で社会人なんだからそういう礼儀正しさはあるよな!
紘汰に晴人に弦太朗に、「ごめんな」とか「わりい」でなんとなく済ませてしまいそうなメンツがここ数年続いていたもので、丁寧な言葉で頭を下げる主人公がなぜか新鮮に見えるぜ……!
一方で、真影こと001とチェイスとの間にも浅からぬ因縁が。001はハート、ブレンと共にチェイスを死神として改造したメンバーの一人だったと今回で判明。
ラストの改造シーンもかなり本郷猛の改造手術オマージュっぽい視点で撮られていましたし、やはりチェイス=プロトドライブが1号ポジションということでいいのかな。チェイスに要素盛りすぎで進ノ介の影がだんだん薄くなってきている気が。
チェイスといえば、進ノ介に「家族」のことを聞いたり、霧子の心を乱れさせないように嘘をつくという行動が見られました。
他者からの命令に従うばかりの存在だったチェイスが、自分から人間に関する知識を得ようとしたり、自分の意思で嘘をついたというのは大きいですね。ロイミュードの中でもひときわ「命令に忠実なロボット」然として描かれてきていたチェイスがこういう行動に出たのは大きな進歩。
このままチェイスは進ノ介や霧子との関わりによって「心」を学んでいく……ことになるのかはまだわかりませんが、そういう方向にも進めるようにしたのは悪くないと思います。
ただし、「実は洗脳の傷跡があったけど、傷跡がなかったと嘘をついた」というのはかなり肩すかしでした。
これ、完全にめんどくさい視聴者の意見ではあるのですが……。
もしも剛の首に傷跡がなかったのなら、「じゃあなぜ剛は裏切ったのか?」という疑問が発生します。霧子だけでなく、神様の視点で見ている視聴者にも。そしてその謎は、「来週もちゃんと見よう」と視聴者に思わせる次回へのフックになる。
しかし「実際に傷跡があった」としてしまうと、視聴者には「なんだ、剛はやっぱり001に洗脳されて裏切っただけか」とわかってしまう。
「味方のはずの剛が裏切った」という一大イベントに対する解答がひどくあっさり提示されてしまって、以降のストーリーへのお楽しみをひとつ奪われてしまったのですよね。
「剛も001に洗脳されて裏切った」とした方がシンプルでわかりやすいという判断なのかもしれませんし、『ドライブ』を見ている子供たちがどう思っているかもわかりませんが、大人のいち視聴者としては残念極まりない。
さて、次回からはいよいよ真影との直接対決。
予告ではタイプフォーミュラが惨敗を喫していましたが、再来週に最強フォームが登場して真影を撃破となってしまいそうな予感……?
あと余談ですが、放映中に流れた『仮面ライダー剣』のブルーレイBOXのCMがかなり驚き。
リアルタイムはもちろんDVDよりも格段に画面くっきり・動きが滑らかに見えて、イイ感じでした。さすがブルーレイ。