横須哲斗のごった日記

仮面ライダーを中心にまったり語るブログ。アニメ・漫画・小説・ゲーム・映画など諸々。

『仮面ライダー』第6話感想 ~カメレオン男、痛恨のミス~

わざわざ砂田を引きずって娘のところに連れていかなければ、今回の作戦が本郷に露見することもなかったのになあ。

 

旧日本軍少佐・砂田の画廊を襲ったショッカー怪人カメレオン男。その目的は、砂田だけが知っているというナチスの秘密を暴き出すことだった。砂田を気絶させたカメレオン男は、わざわざ肩を貸して(引きずって?)娘のもとへ彼を連れて行く。

その途上を見かけたルリ子たちは、見えているのは砂田だけなのに2人ぶんの影がある、という事態に仰天。おやっさんの店で話を聞いた本郷は、改造人間の聴覚でカメレオン男と砂田の足音を察知し、後を追う。

病弱な娘・ユミを人質に取り、砂田にナチスの秘密を吐かせようとするカメレオン男。ユミの部屋に飾られていた模型に秘密の鍵が隠されていると教えてしまったところで、本郷が乱入。ショッカー戦闘員を蹴散らすと、カメレオン男は砂田を連れて撤退する。

 

模型の中に隠されていた地図を発見した本郷は、そこに示された多摩川近辺へ向かう。ちょうどダム建設のために発破が行われていたその現場では、ハーケンクロイツの描かれた奇妙な鉄の箱が発見されていた。箱を回収した本郷に、ショッカー戦闘員が迫る。だが戦闘員ごときでは相手になるはずもなく、仮面ライダーは苦もなく敵を一蹴。その頃ショッカーの基地では、仮面ライダーの弱点が探られていた……。

いつものごとく大学へと箱を持ち込んだ本郷だが、鉄箱には蓋らしきものがなく、開けることができないという。箱を預けて大学をあとにした本郷とルリ子は、タクシーでユミのいる病院へ向かうが、その運転手はカメレオン男だった! 仮面ライダーの弱点――それは、狭い場所では風を受けられず変身できない、ということ。

タクシーの後部座席に閉じ込められた本郷たちは、催眠ガスを吸って眠り込んでしまう。拘束した本郷とルリ子を線路に転がし、仮面ライダー抹殺を確信するカメレオン男とショッカー戦闘員。だが改造によって常人を遥かに超える回復力を得ていた本郷は、間一髪のところで意識を取り戻し、電車から逃れることに成功する。

 

時間は流れ、夜。ショッカーの強奪を警戒した立花は大学を訪れるが、戦闘員を引き連れたカメレオン男に遭遇。鉄箱は奪われてしまう。撤退していく戦闘員の背後に、忍び寄る影がひとつ……それは駆けつけた本郷だった。

気絶させた戦闘員に扮した本郷は、カメレオン男たちとともにショッカーのトラックに乗り込む。その行き先はなんと琵琶湖!

琵琶湖のアジトへカメレオン男が持ち帰ったナチスの鉄箱は、ハインリッヒ博士なる研究者の手で開けられようとしていた。この中身さえあれば、世界経済すら掌握できると豪語する博士。

そこへ東京から連絡が入り、本郷が潜入していることがバレてしまう。竪穴に落とされた本郷は、仮面ライダーに変身するのだが――というところで、続く。

 

初の前後編で、東京を離れて近畿圏のあちこちに行くという壮大な物語に。目まぐるしく切り替わる場面、戦闘員のサーベルを奪って応戦する仮面ライダーの殺陣など、見ごたえのあるエピソードが出てきました。

その一方で、壁にでかでかと描かれる鉤十字とか、旧日本軍将校が握るナチスの秘密とか、ユミに容赦なく攻撃を加えるショッカー戦闘員とか、今ではとても地上波で放映できないような要素が盛りだくさん。

ここらへん時代性というのもあるのかもしれませんが、ナチスは陰謀や悪事とかなり密接に関わりがあった存在として扱われていますね。実際のところ確かにナチスドイツは非道なことをしていたのかもしれませんが、それにしたってホイホイ都合よく悪役にされ過ぎというか。

そしてナチスという存在は、ナチスの陰謀が絡んでいるならヒーローが打ち砕かねばなるまい、というヒーローの正当性を担保する道具としても機能することになる。詳しくは知りませんが、ナチスが戦後のヒーローものに与えた影響っていうのもすごいんじゃないかと思います。ベタベタの「悪の組織」だもんなあ。

 

今回の敵・カメレオン男も、わざわざ徒歩でユミの病院へ向かったり双眼鏡で本郷を覗いていたりと茶目っ気満載。一方で仮面ライダーとの直接戦闘シーンはなく、人質を取ったり密室で本郷を眠らせたりと、搦め手重視でそこそこ頭が回るタイプの様子。

次回、仮面ライダーとの直接対決でどこまで健闘できるか。ショッカー怪人=ネタキャラというここしばらくの流れを打開できるのか、注目です。

今回すでにのっけから盛大なポカをやらかしてるのは気にしない方向で。