『仮面ライダードライブ』第4話感想 ~それが、刑事の矜持~
今回の冒頭、ドライブが魔進チェイサーの攻撃から霧子と絵画を庇ったシーンは、これまでの4話で一番「おっ、ドライブいいな!」と思ったところ。
ヒーローが民間人や非戦闘員を守るのって、ヒーローものでは当たり前の描写ではあるんだけど。主人公を警察官とすることによって、そこにある程度の説得力が与えられた。
仮面ライダーである以前に警察官であり、警察官だからこそ力なき人々を守るのだ、という信条が進ノ介にはあるのかな、と思えました。
霧子は、「何してるんです! 反撃して!」と言ったことからも明らかなように、ドライブをあくまで「ロイミュードを駆逐するための力」として見ていた。
けれども進ノ介は、積極的に反撃に出ず、身を挺して霧子と絵画を守った。これは進ノ介が、ロイミュードを倒すためだけではなく、ドライブを「人を守るための力」として使った、ということで。
今回ついに進ノ介が自ら仮面ライダーを名乗ったのも、「ロイミュードと同じ出自の力を持ってるけど、ロイミュードと同じ使い方はしない」というイメージですかね。
敵と同質の力をどう使うか? という問いは仮面ライダーシリーズの大きなテーマのひとつですが、それについての主人公の答えを早い段階で打ち出してきたのはよかった。
ちなみに先月までの『鎧武』は、この問いに対してどういう答えを出すか、という模索の旅を行う作品だったわけです。これはどっちが上とかそういう問題じゃなくて、作品の姿勢の違い。
というわけで、ルー大柴を追っかけつつ死神の追跡から逃げるというお話。
進ノ介はトップギアになると熱血天才刑事になる、というのはいいとして。一緒にクサい軽口を叩きたがるスイッチが入っている気がしてまいりました。
初対面でシリアスな空気を振りまく魔進チェイサーを「旦那」呼ばわり、
「あんた無口だねえ。デートの時とか、間が持たなくて困んない?」
と空気を読まない発言。
そんなチェイスは役者さんの演技と声も低く抑えめで、爽やかな顔に似合わぬコミュ障っぽさをかもし出している印象。
ぶっちゃけ、幹部連中の中で一人だけ彼女いなさそう。
あと進ノ介、さりげなくベガスにキスしたよねお前。
シフトカーに性別の概念はないとは思うけど、それでいいのかお前。
魔進チェイサーは現状、ドライブと互角以上、という進ノ介の冷静な戦力分析。霧子と絵画が危ないという事情があったとはいえ、2回戦って2回とも主人公が逃走という珍しいパターン。
しれっとベルトさんが「プロトドライブを研究して作られた」という重大な事実を明かしたわけですが、どういう経緯で研究されたのか、「作られた」とはどういうことか、などとさらなる謎を出してきました。
しかし基本形態のドライブよりやや上、という程度の能力では、ドライブのパワーアップについていけるのか激しく不安。
次回予告では新武装を構えていましたが、ナスカ・ドーパントやスコーピオン・ゾディアーツの例もあるし、早期退場してしまうのか……!?
これまでは話を転がすための小道具レベルの扱いだった特状課の面々も、次回からストーリーに本格参戦するのかな。まずは物理学者のりんなさんからのようですが、この展開は『フォーゼ』の部員集めを思い出すなあ。