横須哲斗のごった日記

仮面ライダーを中心にまったり語るブログ。アニメ・漫画・小説・ゲーム・映画など諸々。

独断と偏見で選ぶ『仮面ライダークウガ』フェイバリットエピソード ~A New Hero. A New Legend.~

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漫画版のストーリーが本格的に動き始めたり、今夜からニコニコ生放送で一挙上映があったりと、自分の中で『クウガ』熱が再燃してきたので、その気が失せないうちに書いておきたいなーという記事。

あとはブログ開設からちょうど1年経ったので、何か記念碑的な記事を書きたいなという欲望があって、大好きな『クウガ』についてがっつり書き殴ろうというか。

というわけで全49話からお気に入りの回を10本選んでみました。

 

クウガ』は基本的に2話1エピソードなのですが、1回こっきりの総集編など変則パターンの場合もしばしばあるので、2話(前後編1エピソード)ずつではなく、1話ずつ選んでいます。

なお順位が低い・ここで挙げていないエピソードが嫌いというわけではありません。今回は記事タイトルの通り、あくまでも現在の趣味嗜好に沿って勝手に選んでおりますのでご了承ください。

では行ってみましょう。

●第10位

「これでしかやり取りできないなんて、悲しすぎるから」

EPISODE41 抑制(脚本・荒川稔久 監督・石田秀範)

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VSゴ・ジャーザ・ギ/ライジング3種登場回。

不謹慎なお友達をひっぱたきに行ってもいいですよね、と言う奈々に、それでも暴力を振るってしまって本当にいいのか問いかける五代。

クウガ』のテーマのひとつには「非暴力」があると思いますが、ずっと暴力を振るってきた五代だからこそ、身近な人間にそれを振るってほしくない、同じ思いをさせたくないという気持ちがあるのでしょう。

船上の戦闘で一瞬だけライジングドラゴンになって、倒しきれないと知るやドラゴンに戻ってからのライジングタイタン二刀流! という流れがイイ。

しかしジャーザの銛が肩に刺さるシーンは何度見ても震えが来ます。感覚が極限まで強化されたライジングペガサスであれを食らったら痛みでショック死してもおかしくないと思うのですが、五代がすごいのかアマダムがすごいのか……。

 

●第9位

「その場所でさ、自分がほんとに好きだと思える自分を目指せばいいんじゃない。ね?」

EPISODE26 自分(脚本・荒川稔久 監督・石田秀範)

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VSゴ・ブウロ・グ/ライジングペガサス登場回。

白倉伸一郎が著書『ヒーローと正義』で難癖をつけてる回でもあります。いやぁでも白倉氏が言いたくなる気持ちもわかるというか、お悩み相談に割いてる尺がかなり長いんですよこのエピソード。

ブウロVSライジングペガサスの実質的な戦闘シーンは1分あるかどうかで、初見は「えっ?もう倒したの?」と驚いた記憶。

でもこの雰囲気というか内容というか、「これでこそクウガだ」と思う回でもあります。五代の人生相談コーナーがない『クウガ』なんて炭酸の抜けたコーラみたいなものだよ(暴論)。

余談ですが、大学生の時にこの回見て「あ、桜子さんのブラ紐が浮き出てる」と余計なことに気づいて自己嫌悪しました。薄汚れた大人です。

 

●第8位

「怖かったんです、すごく。その前に笑った顔の一条さん見てたから、たぶん余計に」

EPISODE43 現実(脚本・荒川稔久 監督・金田治)

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刑事ドラマ。

実加ちゃんの演奏会で起こった人質事件を超人・一条さんがスピード解決! という回。クウガはダグバの気配を感じ取って申し訳程度に登場。ほんとに仮面ライダーかよこれ。

この回もまた『クウガ』のテーマのひとつを視聴者につきつけてくるお話です。

人間なら誰しもいろんな仮面を使い分けて(=「変身」して)生きている。そして、この回で刑事として活躍する一条は、立てこもり犯という悪をくじく「正義」です。

そんな一条が犯人を取り押さえる様子を目撃して怯えを露わにする夏目の姿は、ヒーロー作品が無意識に使い続けている「変身」とか「正義」とかいう概念に対する問題提起とも取れるのではないか。大人になってからこの回を見ると、そんな想像が頭から離れません。

 

●第7位

「ダグバ……ジャデデジャス! ババサズボソグ!(やってやる! 必ず殺す!)」

EPISODE39 強魔(脚本・荒川稔久 監督・長石多可男

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ゴ・ザザル・バ&ズ・ゴオマ・グ、ご臨終。

戦闘盛りだくさん、警察との高度な連携プレイが炸裂するお祭り的エピソード。でありながら、ダグバがゴオマを惨殺してついに行動開始という恐怖の回でもあります。

ライジングペガサスでビートゴウラムに立ち乗りして、ザザルを撃ち抜くやさっと反転するクウガが格好良すぎる。そしてタイタンもマイティキックも通じないゴオマに驚き、そんなゴオマをあっさり殺して去るダグバに絶句……。

これが昼じゃなくて夜だからまた怖いのなんの。戦いの終わりに向けて、静かに闇が忍び寄ってくる、そんな雰囲気の感じられるラストカットが印象的。

 

●第6位

「お、俺は……」

「エモノダ」

EPISODE14 前兆(脚本・井上敏樹 監督・石田秀範)

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VSメ・ビラン・ギ/蝶野さん登場。

井上敏樹がえらい人に駆り出されて書くことになったという回。

何と言っても蝶野の存在が大きい。第1クールでは五代の周辺人物、レギュラーキャラたちが掘り下げられる作りになっているのですが、ここで一般人代表みたいなゲストキャラが出てくることによって、『クウガ』の作品世界がぐっと広がった感があります。

井上敏樹はのちに、みのりの同僚が出産を悩む話(27・28話)も書いていて、ごくふつうに暮らす人間たちが怪人に対して見せる反応をよく描いてくれた印象があります。執筆本数は少ないですが、『クウガ』の完成度をぐっと底上げした縁の下の力持ち。

 

●第5位

「もっと、跳べたら……!」

EPISODE5 距離(脚本・荒川稔久 監督・長石多可男

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VSズ・バヅー・バ/ドラゴン登場。

正直こんな早い段階で手も足も出ずに負けるとは思ってなかったよという回。

マフラー装備のバッタ怪人というだけでもテンション上がるのに、気取った仕草がいちいち格好いいです、バヅー。のちに登場するゴ・バダー・バはストレートに1号ライダーのオマージュという感じですが、バヅーは1号とは違うんだという雰囲気があってグッド。

あとオダギリジョーの演技力抜群のアフレコが炸裂するのがこの回。本当に痛そうな声を出せるんですよね。「トオッ」「ハアッ」みたいな、いかにもヒーローものという感じの掛け声ではなく、とにかく苦しげな声。

息も絶え絶えという感じで「パンチ力が、弱くなってる!」というあの台詞が狂おしいほど好き。自分で自分の力が制御できていないという困惑、ひそかな恐怖心みたいなものが伝わってきます。

 

●第4位

「こんな寄り道はさせたくなかった。君には、冒険だけしていてほしかった」

EPISODE48 空我(脚本・荒川稔久 監督・石田秀範)

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VSン・ダグバ・ゼバ/アルティメット登場。

爽快感もなく、格好良くもなく、ただひたすらに痛くてつらくて悲しい最終決戦。リアルタイム視聴時は開いた口がふさがりませんでした。終わった後にはやたらとショックを受けていた記憶があります。

五代もダグバも血みどろになって戦い続けて、最後には倒れるだけ。

絵面が残酷だとか、子供に見せたくないとかいう親もいるでしょう。こんなものは特撮ヒーローじゃない、俺が観たかったアクションじゃないというファンもいるでしょう。

でも、とにかく伝えたいことがあるんだというのがひしひしと伝わってくる。1年かけてこれだけのことをやってきたんだという作り手の意思が画面からあふれている。

まさに伝説を塗り替えたエピソード。

 

●第3位

「2号か!?」

「白い4号です!」

EPISODE19 霊石(脚本・荒川稔久 監督・石田秀範)

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VSメ・ギノガ・デ/グローイング大活躍。

グローイングフォームが好きな人間として外すわけにはいかない19話。

「語ろう!クウガ・アギト・龍騎」にて高寺氏が「一条と椿が電話するシーンで石田監督が台詞を消したのがよかった」と語ってくれた通り、石田監督ならではの演出が光ります。

が、なんと言ってもこの回は戦闘が屈指の熱さ。

なりふり構わぬ戦いをするクウガ、躊躇なく「援護だ! 援護しろ!」と叫ぶ杉田さん、警官たちが一丸となってギノガを攻撃。グローイングのままキックを浴びせるも効かず。2度目も失敗、そして3度目で足のコントロールリングだけ赤に戻って、必殺の一撃!

いつ見てもうっとりする戦闘シーンだ……。

アクションの撮影日はとにかく蒸し暑かったとのことで、スーツアクター富永氏の汗が落ちてるのがはっきり映っていますが、それもひとつの味。

 

●第2位

「俺を殴ってどんな気がした? 嫌な感じがしただろう。それをあいつはずっとやってるんだよ」

EPISODE30 運命(脚本・荒川稔久 監督・長石多可男

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VSゴ・ガメゴ・レ/ライジングマイティ登場。

ライジングタイタンがもう敗れるという衝撃から始まるエピソード。とにかくガメゴの圧倒的存在感、なのに人間態はクールなスーツ、というギャップがいい。

ライジングマイティを使うしかないと言う五代に「あとのことは俺に任せろ」ときっぱり言い切れる一条さんもポイント高いです。完全に「相棒」として馴染んだなー、と。

一方、再登場の蝶野さんは荒川稔久井上敏樹のキャラを巧く使ってくれました。この回も「非暴力」というお話なのですが、衝動的に暴力を振るってしまった蝶野への、椿先生の言葉が素敵。説教するだけでなくて、五代が蝶野の絵を見たというところまで伝えてあげるのが椿先生のいいところ。

恐怖と苦悩に耐えて戦っている五代が、蝶野の絵を見て心を和ませる。苦しい戦いの中で、ほんのいっときでも支えになる。そしてそれは、もしかすると蝶野にとっても救いになるかもしれない。そんなふうに感じるエピソードです。

 

●第1位

「こんな奴らのために、これ以上誰かの涙は見たくない! みんなに笑顔でいてほしいんです! だから見ててください! 俺の、変身!」

EPISODE2 変身(脚本・荒川稔久 監督・石田秀範)

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VSズ・グムン・バ&ズ・ゴオマ・グ/マイティ初変身。

誰が何と言おうと、この回なくして『クウガ』は語れない!

五代の決意、燃えさかる教会の中での初変身。この15年で何度見たかわかりません。

変身CGの違和感がすさまじかったり、ゴオマが撤退したあとの夜明けがどう見ても昼だったりとツッコミどころは色々あるんですが、グムン戦がとにかく格好いいので帳消し。繰り出された爪をさっと避けてからの不恰好なマイティキックは、BGMの使い方もあいまって「静かな熱さ」をひしひしと感じさせる名バトル。

五代と一条さんが並んでいるラストも、これから起こる過酷な戦いを予感させる、しかし希望がないわけではない、未来への不安と期待を感じさせるシーンです。

やっぱり大好きだなあクウガ

 

……というわけで、個人的な好みに従って10本選んでみました。

ものの見事に石田監督が手掛けた回ばっかりになってしまった。それだけ『クウガ』という作品の世界は石田監督の手によって形成されているんだ、ということを再確認できた。

コメディのシーンでもおふざけ演出は抑えられていて、石田監督特有の凝った演出はむしろグロンギのおどろおどろしさを表現するのに一役買っていたと思います。

カメラが登場人物の周りをぐるぐる回る演出(『剣』1話の橘さんと所長が言い争うシーンのアレ)が『クウガ』でも2話あたりにあることに気づいてちょっと笑ったりもしましたが。

ただ、たぶん今夜から始まるニコニコ生放送の一挙上映見たら脳内ランキングにはある程度の変動があると思います。上位4本は自分の中では揺るがないのですが、5位以下はこの記事書きながら「そういえばあの回よかったよなァ……」と思い出しつつ選んだので。

プレミアム会員じゃないと一部のエピソード見れないのは大きな難点なのですが、気にしない。

あとはできるだけ早くブルーレイBOX出してください! なんでもしますから!