横須哲斗のごった日記

仮面ライダーを中心にまったり語るブログ。アニメ・漫画・小説・ゲーム・映画など諸々。

『仮面ライダー鎧武』ファイナルステージ感想 ~人は誰しも仮面をかぶる?~

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9月28日、大阪公演の夜の回に行ってまいりました。

この手のイベントにはとんと縁がなかったのですが、今年は関西での開催が『鎧武』最終回の放映当日ということで、気分が盛り上がってるタイミングだし一度は行ってみようかな、と足を運んだ次第。

非常に満足度の高いイベントでした。

※以下、公演内容について書いてあります。
 東京公演を事前情報なしで楽しみたい! という方はご注意。

 

 

公演は第1部と第2部からなっていて、第1部では「ファイナルステージ」と銘打ったいわゆるヒーローショー、2部は番組キャストによるトークショーです。

ぶっちゃけキャストのトークが本命で、前半はおまけみたいなものだと思っていたのですが、予想外にステージがよかったんですよ。

ちゃんと本編に負けず劣らずのまともなストーリーがある、という事実にまずちょっと驚愕。

ショッピングモールだのなんだのでたまにやっているようなショーとはわけが違った。正直あれに毛が生えたようなものだと思ってました……

あらすじは以下の通り。

 

初瀬やシド、プロフェッサーたちにくわえオーバーロードまでもが集う、死者の世界。

そこに突如として現れた謎の存在・魔蛇(マージャ)は、自らが世界を手に入れると宣言。命を落とした者たちを次々に甦らせ、洗脳して支配下に置いていく。

魔蛇はサガラと同じくヘルヘイムの侵食を受ける世界を見守る存在であったが、そのうちに自分の手で世界を手にしたくなり、ついに行動を起こしたのだ。

駆けつけた鎧武は、魔蛇を止めようとするが、魔蛇の持つ力によって戦闘能力と記憶を奪われてしまう。

それからしばらくして。沢芽市で暮らしていた城乃内たちの前に現れたのは、すべてを忘れてしまった鎧武であった。

魔蛇の侵略が開始される中、鎧武は記憶を取り戻せるのか。果たして魔蛇との対決の行方は――

 

なんだこの真面目な番外編は。

MOVIE大戦にとっておかなくてよかったんですかね、このネタ。

パンフレットによると脚本・演出は毛利亘宏氏ということで、納得の出来栄え。尺はこのショーだけで本編およそ2話分とたっぷり。キャラクターにも本編キャストが声を当てており、魔蛇の声にはナレーションの大塚芳忠氏を起用という、ベストな人選。

生身のキャストは登場せず、舞台はライダーの姿での演技に終始していましたが、完成度は高かったです。色々と小ネタを拾っていたり、笑いどころもあったり。

惜しかったのは、視覚効果(ライトとかレーザーとか)の光が来やすい席だったのか、盛り上がる場面では目が眩んで悶え苦しんでたことですかね……。

 

休憩を挟んでからの第2部では、番組キャストによるトークショー。大阪公演には8名の役者さんが来ていました。

夜の部(3回目の公演)内容はざっと以下の通り。

・「今だから話せること」などを主なお題にしたトーク
・各自、スタッフが選んだ名台詞3つの中から1つを選び、そのシーンを演じてみせる
・各ライダーの変身ポーズ披露
・佐野岳小林豊による「乱舞Escalation」
・各キャストからのメッセージ

 こちらも非常に充実した時間だったのは間違いないのですが、

せっかくの生歌の時にも視覚効果の乱舞Escalationをまともに浴びてムスカ大佐みたいになってました。

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そんでもって最後の挨拶の際、佐野岳くんが

「番組始まって間もない頃のイベントでは歓声も少なかったけど、今ではこんなにみんなに応援してもらえるようになって……」

ってボロボロ泣きながら言ってたんですけど、

その少し前に、45話でヘルヘイムの果実を涙ながらに食べるシーンを演じてくれたこと、他のメンバーもすさまじい熱演を見せてくれていたこともあって、ふと疑問が浮かびました。

明るい声で場を仕切る小林豊、キルプロセスばっかり言ってる青木玄徳、遅刻したネタでさんざんいじられて土下座やってる松田凌、そして涙を流す佐野岳

この姿にも、もしかすると「演技」が入っているのではあるまいか、と。

 

テレビ画面ごしにしか(しかもドラマという虚構のキャラクターとしてしか)視聴者が見たことのない人間が、観客と同じ空間にいて喋っている。

彼らは『鎧武』のキャラクターとして演技をしているわけではないのですが、たとえば「紘汰を演じていた佐野岳」だとか「戒斗を演じていた小林豊」を演じているのであって、この場で見せている姿が彼らの「素」ではありえないのかもしれない(というか、たぶんそう)。

こういうイベントにおける役者のみなさんの言動って、もちろん作品中のキャラクターそのままではありえないんですけど、役者自身がそのキャラクターに感情移入というか思い入れを持っていることは間違いないし、それに引きずられて「演技」してる部分はあるんじゃないかなあ、とか。

今はみんな涙を流しているけど、幕が下りて控え室に戻ったらこの公演の反省会始めるんじゃないか、とか。そんな益体もない想像をしてしまったり。

 

「人間はだれでも仮面をもっている その仮面の下に真実の顔がある」

とは漫画版『仮面ライダー』に登場する一文ですが、役者という職業は果たして「真実の顔」を人前に晒すことがあるのだろうか、今ここで彼らが見せている顔は仮面なのか真実なのか、そもそも人に真実の顔なんてあるのか……と、退場しながら堂々巡り的にああでもないこうでもないと考えておりました。

ほんとなんなんでしょうね役者って。オソロシイ仕事してるなあ、あの人たち。

 

最後になんかしょーもない話になってしまいましたが、

とにかくこのステージ、見に行ってよかったです。それだけは間違いない。

ライブなどにもちっとも行かない人種だったのですが、そういうイベントに熱狂する人の気持ちがかなりわかったような気がします。

次回、東京公演は10月11日/12日の2回。

しかも12日の最終回公演・スペシャルバージョンは、全国各地の映画館にてライブビューイングで見られるのだとか。

東京や大阪などの都市部まで来なくてもあの瞬間を共有できる、というのはすごくいいことだと思うので、可能なら続けてほしいですね。

ライブビューイングのチケット予約は昨日からとのことで、すでに争奪戦が始まってそうな予感。

 

なお、ステージ開始前に発表された問題の企画――

「企画・白倉伸一郎、脚本・井上敏樹によるクウガの新生コミカライズ」

については、また紛糾しそうな企画をやるなあと思いましたが、文句を言うとしてもとにかく現物見てからということで。