『仮面ライダー』第5話感想 ～カマキリはバッタの天敵？ いいえトラの天敵です～

今回のポイントは、以前ルリ子を助けた時はお姫様抱っこしたのにちか子には肩貸してるだけの本郷。やっぱり幼馴染はヒロインたりえないと言うのか……！？

この５話からオープニングテーマの最後にナレーションが入りました。

「仮面ライダー・本郷猛は改造人間である。彼を改造したショッカーは世界制覇を企む悪の秘密結社である。仮面ライダーは人間の自由のためにショッカーと戦うのだ！」

征服じゃなくて制覇なところがポイントですね。

地震研究所で働く才媛・雨宮ちか子。本郷の幼馴染であるという彼女が、突如として失踪するという事件が発生。それと同時期に、関東の各地で謎の地震が頻発するようになっていた。疑念を抱いた本郷はちか子の研究室を訪れ、巨大な虫のものと思われる細胞を採取する（このシーンは全面的にカットされたのか、いきなり本郷が知人と大学で細胞の観察をしている場面へ飛びます）。

研究室で見つけた地図を手がかりに、ショッカーはちか子の研究を利用し地底で核爆発を起こすことで人為的に大地震を引き起こそうとしているのでは、と当たりをつける本郷。そこへちか子から呼び出しの連絡が入る。現場へ向かった本郷は、ちか子の手によって深い竪穴へと突き落とされてしまう。そこへ現れ、爆弾をセットする怪人かまきり男。大ピンチに陥る本郷だったが、間一髪、爆弾の爆風をベルトに受けて変身し、竪穴を飛び出すことに成功する。

戦闘員とかまきり男をあしらい、ちか子を救出して自宅に匿う本郷。

「大きな地震……かまきりの卵……ショッカーが、午後4時に……」

意識を失ったまま、うわごとのようにつぶやくちか子。だが目を覚ました彼女は、どこか様子がおかしかった。部屋を出ていこうとする彼女をとっさに止めた本郷は、前回に引き続き本気の腕力を発揮してしまい、改造人間となった自身に戦慄する。本郷宅へ向かうルリ子のあとをつけたかまきり男が襲来。応戦しようとする本郷だったが、ちか子に背後から殴られて昏倒してしまう。

ちか子を伴ってアジトへと帰ってきたかまきり男は、首領に命じられ、人工地震作戦を実行しようとしていた。

寺の地下にショッカーのアジト！

だがちか子に取り付けた発信機でアジトの位置を突き止めた本郷が駆けつける。いったんは外で戦いながらも不利を悟って撤退したかまきり男と、後を追った仮面ライダーは、狭苦しいアジト（寺の下）で対決。午後4時寸前、核爆弾のスイッチに手をかけるという隙を見せたかまきり男に、必殺のライダーキックが炸裂する。

かくしてショッカーの人工地震作戦は防がれ、ちか子も無事助け出された。そして本郷は、自分がかつて親しかった幼馴染とは遥かに遠い存在になってしまったという哀しい事実を噛み締めていた……。

今回の怪奇演出は、紐状になってほどけて死んでいく怪人＆戦闘員。気軽に爆薬を使えない低予算ぶりを感じさせますが、それにしても相変わらず無駄に恐い死に方。

それにしても、回を追うごとにツッコミどころが増えてる気がする。いや、面白いからいいけども。その最たるものがショッカー怪人・かまきり男。今までの怪人の中でも別格の滑稽さを見せつけてくれます。

・カマキリなのに武器が鎖鎌（しかも鎌になってる方の手で鎌を持ってる）

・明らかに足りてないスーツの袖

・変な鳴き声（？）

・与えられたアジトが寺の地下

・気絶した本郷とルリ子を見逃す優しさ

あと、どうやら今回は尺が圧倒的に足りなかった様子。上述のシーンカットとか、かまきり男に脅されて本郷に電話してたはずのちか子が何の説明も無しにいきなり洗脳らしき状態に陥ってるとか。

ドラマ部分にも面白くなりそうな要素はいっぱい散りばめられてるんですよ。幼馴染が行方不明になったかと思ったらいきなり襲われ、逆にこちらも彼女に改造人間の腕力をぶつけてしまう。そんな肉体になってはいても、理不尽に洗脳されてしまったちか子を救おうとする本郷……そういう彼の葛藤をもっと前面に押し出したら、より高年齢層の視聴に耐えうる作品となっていたかも。

ただ、あくまでもメインターゲットは子供だし、そこまで露骨な関係描写をする必要もないとは思うんですが。随所に「おっ！」と思える演出があるからこそ、脚本の言葉足らずな感じ、尺が足りない部分が余計に気になってしまうのかと。

あるいは、大の大人がケチをつけるだけの余地が残されている、ということか。完全に子供向けというか子供騙しな作品なら、そもそも誰もツッコミなんか入れないし見向きもしないと思うんですよ。そこへ行くと、『仮面ライダー』という作品は単なる子供騙しじゃなくて、もっといろんな人が想像力を働かせうるような番組になろうとしていたのかなあ。

次回、またしてもバッタの天敵が襲来？