『侍戦隊シンケンジャー』簡易感想その3 ~これぞ、靖子にゃんの真骨頂~
9月13日配信開始分。
●第五幕「兜折神」
東映特撮恒例の遊園地ターイム。
幼少期の殿様、爺が遊園地に連れて行ってたのか。
刀が通じず、モヂカラも決定打にならないヤナスダレに対し、不安になる家臣一同。
そんな彼らに対し、自分なら勝てるという虚勢を張ることしかできない、
殿の不器用さが今回も強調。
戦闘中なら簡単に「力を貸せ」って言えてたのに……。
シナリオとしては、結局大筒モードを一人では使いこなせず、後ろから家臣に肩を支えてもらうとか、「丈瑠が仲間たちを頼る」エピソードにもやろうと思えばできたはずですが。
あえて自力で使いこなし、家臣が見えなくなってから倒れることで、
丈瑠が「殿」としての重圧を隠して踏ん張っているところを見せてくれました。
その一方で、彦馬には躊躇なく身体を預けられる殿。
前回までは家臣目線での殿の姿が描かれてきたわけですが、今回は彦馬視点で、丈瑠というキャラクターがぐっと魅力的に。
稽古のシーンでは血まみれでボロボロなのに、出陣の時(つまり、家臣の前で)は傷ひとつない、というのもよかったです。
黒子にメイクでもしてもらって隠してるのかな、という想像ができるので。
丈瑠の内心に気づく茉子、というのも、流ノ介との絡みからの流れで、割とスムーズに。
全員の掘り下げを終わらせると同時に、殿様反対派だった千明と茉子が、丈瑠のことを少しは認めるという、1話~5話までの物語は上手くハマっています。
●第六幕「悪口王」
殿(うそつき)が流ノ介(ファザコン)を気遣ってるー!
殿を除く四人はすでに割と和気藹々、という雰囲気ですし、ちょっとずつメンバーが打ち解けてきた感があっていいですね。
悪口を言って、相手がそれを図星だと感じるとダメージになる今回のアヤカシ・ズボシメシ。
背中に三つ目があって、それで相手の弱みを読み取っている、ということのようで。
眼球を人体とは異なるバランスで配置しておどろおどろしさを出す、というのは割とよくある手法ですが、今回の怪人はそこまで怖いというわけでもなく。
目玉系の怪人で怖いのと言えば、東映特撮的にはモクモクレン(カクレンジャー)あたりが印象的ですが、
平成特撮の中ではガンQのインパクトは他の追随を許さぬものがあります。
シンケンジャーもひたすら悪口を言われたわけですが、個人的には「一生独身!」がツボ。
茉子、そこまで気にしてたんだ……。
メンバーの中では年長で、頼れるお姉さん役を自任している姿をさんざん見せてきているので、こういう部分で愛嬌を見せていくのは巧い。
悪口がまったく通用しなかったことはも、戦闘後に倒れてしまい、実はダメージを受けていたのを「言われ慣れているから」と我慢していただけ、というのもポイント。
怪我と違って目には見えないけど、痛いものは痛いんですよね、悪口。
一方で丈瑠に対する「うそつき」は、前回のことを示している一方で、
終盤の展開への伏線としても機能しうる(さらにそれを前回に続き茉子が拾って、キャラの性格を改めて見せる)
というのが小林靖子のすごいところ。
小林靖子といえば小麦粉の湿布が2年前の『仮面ライダー電王』の愛理さんを思い出させるネタでしたが。