『仮面ライダー鎧武』第46話感想 ~どう使う? 禁断の果実~
こう使いましたー!
なんか『オーズ』のドクター真木とかコアメダルみたいに吸い込まれていったので、これで安心して冬のMOVIE大戦に紘汰も舞もインベスも帰ってこれるな、という安心感。
次回で「もう帰ってきましたー」なんてことには……ならないよね?
今回は実質的な最終回だけあって、画面から伝わってくるパワーがすごかった。
まずは前半、怒濤の鎧武とバロンの最終決戦。
火縄大橙DJ大剣とグロンバリャムの剣戟とか、
オレンジVSバナナと極VSロードを重ねていく演出とか。
そして最後、バロンの腹を突き刺していったん離れた鎧武が、微妙に腰が引けてて、「とうとうやってしまった」みたいな感を出していたのがグッド。
決着ののち、勝ったのに泣いている紘汰に対して、
「なぜ泣く?」
「泣いていいんだ。それが俺の、弱さだとしても……拒まない。俺は、泣きながら進む」
「お前は、本当に強い……」
と言い残して力尽きる戒斗の姿もよかったです。
心折れても泣きながらでも前に進む強さを持っていた紘汰のことを、戒斗は認めていたし、あるいはもしかすると羨ましかったのかも。
突きつけられた選択に対して、ヘルヘイムという世界を強制的に新しいステージに進ませるシステムに対し、今ある世界を作り替えるのではなく、地球を捨てて誰もいない世界に行き、そこで一から世界を築くという答えを提示。
前回の戒斗の「新しい生命でこの星を満たす」は、ひょっとして今回の紘汰の選択に繋がっていたり……はさすがにないかな?
カチドキロックシードを渡し「世界のルールそのものを壊せ」と言ったサガラに対して、紘汰がヘルヘイムのルールに縛られることなくひと泡吹かせるというエンドは、落としどころとしては順当ではありますが、評価できる部分。
ただいきなり紘汰がはじまりの男に変身した時は度肝を抜かれました。
この、極とマツボックリを足して2で割ったようなスーツ!
そして、あとに残された人々は止まることのない時間を生きていかなきゃいけない。
はじまりの男化してしまった紘汰は、知恵の実争奪戦の勝者としてこの世界を導くことを放棄し、人間の世界を去ったんだけれども、
残った人々(ミッチや貴虎も含めて)なら沢芽市やこの世界をよりよいものにしていってくれる、
つまりは変身させていけると信じたからなのかも。
失敗した今の自分が許せなくとも、安息に逃げるのではなくて、茨の道を選ぶ。そして自分が納得できる自分に変身していく。
紘汰はそれをずっとやってきたし、周りの皆にもそれができると信じている。
それにしても、今回の貴虎生存&ミッチにも一定の救いがもたらされそうなエンドを見ていると、オープニングテーマのサビの部分、
斬月→バロン→鎧武→龍玄とぐるぐる回りながら武器を構えるカット
がなんだか示唆的に見えてくるというか、意味を見出そうとしている自分がいて、人間というのは何事も関連付けしたがるイキモノだなあと。
次回はいよいよ最終回。
紘汰も戒斗もいなくなった世界で、残された人々は何を思うのか。
「もう紘汰さんはいない! だから僕たちが、ヒーローにならなきゃいけないんだ!」
ミッチは、貴虎は、変わっていくことができるのか。
そして謎の裏ボスは造形見るに冠のリペイント(頭部は新規)だけど、果たして今度もサッカーボールのようにぶち転がされてしまうのか!?