『仮面ライダードライブ』第17話感想 ~ダメンズのデッドヒートを制するのは誰か~
同僚を鎖で縛り上げる現さん&究ちゃん!
ナズェミテルンディス! ハンカチを噛み締めるブレンさん!
完成したと言いつつデッドヒートの欠陥を直してないハーレー博士!
自分からりんなさんと別れたくせに好き勝手し放題の笹本喜三郎!
なんだこの男性陣は。
ダメ男……というかザンネンな男たちが勢揃いした今回。
中でもゲストの笹本喜三郎はズバ抜けていました。ラストシーンのりんなさんとの会話。
「りんな! 今更になってきみの大切さに気がついた。やっぱり僕にはきみが必要だ!」
「不思議ね。ずっと心を支配してた声なのに、もう全然響かないな」
「えっ?」
「あなたは科学者としてだけじゃなく、人としても間違いを犯した。もう二度と会うことはないわ」
お前、この期に及んでそれはあまりにも格好悪いぞ笹本……!
今回の事件と絡めてりんなさんがうまいこと言ってるラストシーンなのですが、笹本の不思議そうな「えっ?」で笑う。
この後りんなさんにカメラの焦点を合わせて笹本の姿をどんどんぼやけさせていくのは良い演出だった。もし笹本の顔がくっきりしていたらきっと間抜け面が画面に映し出されて笑いをこらえられなくなるところだった。
りんなさんが婚活パーティーに出かけていたのも、元カレにずっと支配されていたからこそか。「男の恋は名前を付けて保存、女の恋は上書き保存」とはよく言ったものですが、りんなさんはずっと上書き保存できる異性を探していたのかな。
同じ学者だからこそ、愛する人を置いてまで研究に没頭したい、という気持ちもわからなくはなかったのでしょうし。
けれど笹本はボイスロイミュードに手を貸し、人間を操る研究をしていた。
もうちょっと笹本の狂気とか、りんなさんとの関係とか、科学者としてのあれこれとか、テーマ方面に振っても悪くはなかったのですが。あまり入れ過ぎてもしつこいし、デッドヒートも出さなきゃいけないし、これくらいがちょうどいいんですけどね。
などといま書いてて思いついたのですが、もしかして今回は
「デッドヒート(=研究)を置いて婚活に向かったりんなさん」と「りんなさんを捨てて研究に没頭し非道に走った笹本」
を対比させている形なのかしら。
あくなき探求、科学技術の探求そのものには罪はないけれど、人としてのバランス感覚が大事ですよ、というお話。この辺はロイミュードやベルトさんの設定とも重なるし、本作を貫く大きなテーマのひとつと言えますね。
しかしタイプワイルド回で登場した公安部の警視といい、りんなさんはつくづく男運がないなあ……。
まあ、それはいいとして。
前回の記事で書いたのですが、やっぱりドライブの登場人物の「ザンネン」っぷりはわざとやってるのでは、という感覚がいよいよ強くなってまいりました。
今回のブレンの出歯亀みたいなのは正直なところ戸惑います。このシーンはブレンをどういう存在として描きたいのか、視聴者をどういう気持ちにしたいのかと。
このシーンは何のためにあるのか? 対象は子供なのか、一緒に見ている家族なのか? そもそもここは笑うところなのか?
とテレビの前で首をかしげておりました。
もしかするとこの先、ブレンが暴走したりメディックと反目したりする展開があって、そのための前振りをしているのかもしれませんが。それにしては今回のブレンをコミカルに描きすぎ。
なんとなく「敵幹部をネタキャラにしとこうか」みたいな考えがある気がして、今のところあんまり好きになれないです、ブレン。
確かに霧彦さん&井坂先生→ウヴァさん→校長みたいに敵幹部のメンツがやたら濃すぎる時期もあったのですが、だからってネタキャラ出せばいいってもんじゃねえぞ。
女優の痴情のもつれ、りんなさんの昔の男、となにやらドロッとした話が続いていたドライブですが、次回は現さんが主役の刑事ドラマ風味っぽい回のようで。
2号ライダーの登場からもひと段落したし、しばらく特状課メンバーをメインにした話が続くのかなー、と思いつつ東映公式見たら
「18話ゲスト予告
橘真伍……中沢青六さん
追田に刑事のイロハを叩き込んだ、元先輩刑事。定年により、今はもう刑事職を退いているが、「鬼の橘」という異名で知られ、若手刑事の進ノ介もその存在を知っているほど。」
鬼の橘ってオイ。
あ、今回のダメ男筆頭・笹本喜三郎を好演してくれた成松慶彦氏はかつて『仮面ライダーディケイド』にてギャレン/橘サクヤを演じておられます。どっかで見たロン毛だと思ったら案の定だったよ。