『仮面ライダードライブ』第16話感想 ~爆走せよ、デッドゾーンのむこうへ~
新登場のタイプデッドヒート、真っ向からの格闘戦でハート様を圧倒する活躍。
赤いエフェクトに包まれて戦う姿はさながら『ドラゴンボールZ』の界王拳のよう。
どっちも後々使われなくなりそうだとか、そういう含みはありませんよ……?
新フォームお披露目の回でありながら、りんなさんの過去に迫る物語でもあり、敵味方に小ネタも満載、というエピソード。
最近だんだんと、この「堅実に見えてちょっとザンネン(残念)」な感じがドライブという作品の持ち味なのではないかという気がしてまいりました。
ビシッとストレートに格好よく決まるのではなくて、みんな真面目でありながらお茶目な欠点がある、というつくり。
『仮面ライダー剣』の橘さんはキャストもスタッフも真面目に格好いい先輩を作っているつもりが気づいたら残念の極みだった、という逸話がありますが、今作のキャラクターはみんな意図的にどこかしら残念に作られている・撮られているんじゃないかなと。
そんな本作の「ザンネン」を象徴するキャラクターが、今回のメインである沢神りんなさんです。
進ノ介のダサい言葉選びに隠れていますが、ハンドル剣やドア銃、重加速粒子測定器「ピコピコ」を造ってしまうあたり、この人もおよそ尋常なセンスではありません。重加速現象を「どんより」と名付けたのも彼女だとかなんとか。
今回も一見すると
「婚活にかまけて新装備の開発を怠った博士」
ということになりかねません。その裏には彼女なりの悩みというか謎があるようだ、というのが今回のストーリーなのですが、いかんせんこれまでの成果が成果なだけに……。
タイプワイルド登場の5・6話でも謎めいた一面を見せていたものの、あの時は始まったばかりということもあって、いまひとつハマらなかったのですよね。あれからずっと「ザンネン」ぶりを強調されてきたので、最近ようやく腑に落ちてきたのですが。
他の面々もハードに決めようとして決まらない、ザンネンな感じが今回けっこう強かったですね。
正気を保ったままコミカルな動きで暴走する進ノ介、新しい靴を用意されてかっこつける霧子、いきなり車のボンネットに飛び乗ってくるチェイス、きっぱり「気が小さい」と言われて焦るブレンさん。
特に幹部連中はメディックとハート様がいちゃいちゃしてる裏で、男2人がザンネン街道をデッドヒートしている始末。先に脱落してまともなハードガイになるのはどっちだ。
このざまではどっちもデッドゾーンの向こう側へ行ってしまいそうだなあ……。
さて次回はこれまで声だけの登場だったハーレー・ヘンドリクソン博士が来日。演じるは大月ウルフ氏、数々の特撮ヒーローものにゲスト出演してきた大ベテランです。
『ダイレンジャー』『カクレンジャー』あたりはまだしも、『仮面ライダーストロンガー』『仮面ライダースーパー1』、『宇宙鉄人キョーダイン』しまいには『マグマ大使』『愛の戦士レインボーマン』って、古すぎ。
タイプデッドヒートの制御にアドバイスをくれるという展開は読めているのですが、さてどんな人物なのでしょうか。やっぱりどこか抜けたザンネンな人なのか。
そして婚活に出かけたら昔の男(?)に遭遇してしまったりんなさんの明日やいかに。このままボイスロイミュードにころっと落とされてしまうのか!?