『仮面ライダー鎧武』第30話感想 ~この話、W放送中にやれば面白かったのに~
なにかと批判の声が大きそうなキカイダーコラボ回。
前回のあの引きからコラボ回をやるとなった以上、不満が出る面は少なからずあると思います。この時期に映画やるからって、コマーシャルだけならまだしも本編で共演する必要性がどこにあるのか、という疑問はぬぐえません。
内容はともかくタイミングの悪さはゴーバスターズ×ギャバンとどっこいどっこいではないかと。家族を助けるために戦ってきたのに、やむを得ずそれを切り捨てるしかなかった……というタイミングでしたから、あっちは。それでも話としては一区切りついていたところだったので、ぶつ切りでコラボをねじ込んできた鎧武よりはマシなのかも。
今回の問題は、本編とリンクした部分がろくすっぽなかったというだけでなく、この単体のエピソードにおいても『鎧武』としては話の大筋に無理がある、というところでしょうか。オープニングや予告を除けば実質的に20分強しかないのですから、凝った話をすることができるわけないんですが。
というわけで、今回は鎧武ではなくジロー(=キカイダー)のエピソードとして捉えるといいかも。
記憶をなくした主人公は、親切な姉弟に拾ってもらって幸せな日々を送るものの、自分には戦うための能力が備わっていることに気づく。
そして現れる謎の襲撃者。
戦闘能力を復活させたと同時に、記憶を取り戻した主人公は、自分の本当の目的を果たすため、姉弟のもとを去って戦場へ向かう……
と、こう書くとまだ違和感がないんですよ。ジローの物語としては成立する。
親切な姉弟の視点からそれを描いてるうえに、弟の方がまた変身ヒーローだったりするので、話が散漫というかしっちゃかめっちゃかに見えるだけで。
もしこれが仮面ライダー鎧武という番組の枠内でのエピソードでなければ、キカイダーの前日譚としてそれなりに評価されてたかもしれません。
以下、小ネタというか広げられなかったあれこれ。
・犬を拾ってきたけど結局飼えなかったというのは、結局ジロー=キカイダーを繋ぎ止めておくことができなかった、というのとリンクしているんでしょうか。最後のわざとらしい玉ねぎは泣けばいいのか笑えばいいのか。
・「知り合いの研究者からテストを任された」だけであそこまで乗りに乗っちゃうプロフェッサーも愉快ですが、脳をむき出しにしてるハカイダーもいつ見ても怖いデザインですね。もともとの『キカイダー』では光明寺博士の脳を配置してキカイダーに対する人質のように扱っていたということですが、今回のプロフェッサーのあれはどう考えても弱点にしかなっていないような。
・しきりに「映画行こう」とお姉ちゃんが言ってたのはキカイダー映画へのネタ振りだったのでしょうが、なんというかやり方が露骨だったなあと(笑)。あと、行こうとしてた映画がどう見てもピノキオなのは、たぶん漫画版『キカイダー』との繋がりですね。
・個人的なポイントはザック。昨日あんな記事を書いたあとだけに、電話をかけてきたと思ったら即座にやられるきれいなザックに笑いを禁じ得なかった。
さて次回は、ついに最終形態のロックシード登場のようで。
あっさり紘汰が手に入れるのも話としては面白くないし、予告だと貴虎の目の前でサガラ(もしくはロシュオか?)が手にしていたようですが、コアメダルばりの奪い合いが始まるのだろうか。