横須哲斗のごった日記

仮面ライダーを中心にまったり語るブログ。アニメ・漫画・小説・ゲーム・映画など諸々。

『仮面ライダー鎧武』第42話感想 ~黄泉の国からこんにちは~

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後頭部のキウイアームズ部分、リペイントしてないよね? そのままだよねこれ?

どうやら、冥界産のキウイは食べられるようです。ブドウは腐ってしまったのになあ。

 そんなわけで腐ったブドウことヨモツヘグリアームズに変身したミッチ。まさかプロフェッサーにそそのかされて試作品をもらう展開だとは。わめき散らすわプロフェッサーの口車にあっさり乗るわで、すっかり錯乱状態……。

 

作品初期からずっとですが、ミッチは周りの人間の理想像、「こいつはこんな奴だ。こうあるべきだ」というイメージを自分の中に持っていて、そのイメージばかりを見て動いています。誰しもそういう部分はあるものですが、ミッチは特にこの傾向が強い。

この性格は初期では、「紘汰なら誰かが傷つくよりも自分が傷つく方を選ぶはずだ。だから自分もそうしよう」というふうに、まだプラスの方向に作用していました。

けれど、ヘルヘイムの侵略を経て紘汰や舞たちが少しずつ変わり始めたことで、暴走を始めた。この「変わり始めた」というのは、ミッチの主観。

他人に本性を見せない人、平時と緊急時で違う性格になる人、そんなのはいくらでもいます。

全部ひっくるめて「その人」なのですが、ミッチは自分の見たい一面、気に入った一面ばかりを信じて受け入れていた。もしかすると、自分自身に対してさえも。

その終着点として、今回の独白は非常に良かったです。

「ねえ舞さん、そんな顔しないでよ。もっと昔みたいな顔してよ!」

「なんでだろう……思い出せないや。あなた、昔はどんな顔してたっけ? 僕は何を守ろうとして、何のために戦ってたんだっけ……?」

つまるところずっとフィルターを一枚間に挟んで、ありのままの人間を見てこなかったんだなーと。

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 しかしお前、ブドウアームズみたいな色してんな。

 

さてミッチにロックシードを渡したプロフェッサーは、すっかり人間世界におけるサガラのポジションに収まっています。そういえば戒斗にゲネシスドライバーあげたのもプロフェッサーだったっけ?

サガラと比べると明らかに小物・偽者のプロフェッサーですが、人間世界が産んだニセモノの蛇は、果たして本物の裏をかくことができるのか。それとも単なる前座に終わってしまうのか。

プロフェッサーとサガラがコンビ組んでなくてほんとに良かったー。

一方の紘汰はロシュオ撃破から息つく暇もなく、まる一日ほど市内を駆けずり回る羽目に。

姉ちゃんさらわれた!→ミッチが敵になった!→貴虎帰ってきた!→舞もさらわれた!→ユグドラシル行かなきゃ!→幻術で裕也と再会!→オーバーロードになっちまった!→ロシュオと対決だ!

この忙しすぎる生活。

 

紘汰や、今回のミッチを見ていると強く感じるのですが、

『鎧武』のメインキャラクターは「社会で暮らす人間」といういきものの色んな特徴を――良い部分も悪い部分もひっくるめて――与えられているな、と思います。

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紘汰はすぐ考えなしに突っ走る(その割に迷ってばかり)、戒斗は勝手な理屈をこね回し、ミッチは自分の理想だけ押し付けて、貴虎も他人を顧みなかった。

フィクションならではの理想的な人物など登場せず、みんなどこかしら悪いところが明示されてる。

汚い部分や視聴者があんまり喜ばない部分も含めて、フィクションなりに「人間」の姿を描こうとしている、と感じ取れるつくりになっているので、個人的には好感が持てます。

このへんはメインライター・虚淵玄によるものだけじゃなくて、鋼屋ジンをはじめとする他の脚本家たち、それを映像にするスタッフ、そして何よりキャラクターを演じる役者たちの力が大きいですね。

これだけライダーを出しておきながら、キャラクターのイメージにそぐわないハズレ役者がいない。『龍騎』『カブト』あたりでも思ったのですが、武部Pが参加するとキャスティングが大成功してる気がする。

 

さて次回、戒斗さんも現世にサヨウナラしてしまう模様。

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もうジンバーメロンは本編では出ない気がしてきたぞ!