『仮面ライダー鎧武』第44話感想 ~極Escalation~
この期に及んで平行世界とか時間軸とか言い出したけど、「ニトロだから仕方ないね」と思っている自分がいる……。
というわけで、今ある世界への反目を決意した戒斗。
インベス軍団を結成し、黄金の果実を手に入れ、舞との再会を胸に最後の戦いを開始。
あくまで人間というカテゴリーに執着を見せるミッチと、それをすでに飛び越えていった紘汰・戒斗・舞。今回で完全にミッチはステージを降りてしまった感があります。
ずっと強敵とばかり戦ってきた戒斗だけど、オーバーロードもプロフェッサーもいなくなり、とうとう同等以上の強さを持つのは紘汰だけになってしまった。
ダンスやってた頃に「なってみると支配者も意外とつまらん」みたいなこと言ってましたけど、恐らく戒斗の進む道には終わりがない。終着点がない。
戒斗はずっと自分より強い相手と抗い続けてきたので、他に道を知らないというか、ずっと抗い続けていたいのかな、と思います。
黄金の果実を手に入れるというのも、果実を獲得して何かやりたいわけではなく、そこに至るまでの過程の方が戒斗にとっては重要だったのでは。
一方で、弱かった過去の自分を許せないというのもあるかも。弱者は淘汰されて当然、みたいな言動はたぶんここからきている。
ミッチには許しがもたらされたけれども、戒斗にはどうなんだろうか。
今回ようやく「舞を取り戻す」という具体的な目的を見出した戒斗ですが、果たしてこれが吉と出るか凶と出るか。
そしてそれに立ち向かう紘汰。
戒斗に対する台詞が「お前は俺が倒す!」じゃなくて、
「お前は俺が止める!」だったのが今回のポイント。
誰もが認める正しい道なんて、本当は存在しない。
「これが正しい道だ」と決めつけて突っ走ろうとする人々……貴虎を、ミッチを、そして戒斗を、「ちょっと待て」と引き止めるのが、紘汰が今までやってきたこと。
「やめろ」「お前は間違ってる」とは言うけど、「だからこんな道を行け」と紘汰が言ったことはほとんどない。あくまで「ノー」を言い続け、道を正し続ける。
最終的に他人がどういう道を見つけていくか、というところには口出ししない。各人に考えさせ、選ばせている。もし選んだ道が間違っていたら、また「それは違う」と止める。
見守ってる、という言い方は違和感がありますが、
紘汰=鎧武は他の人々のカウンターというかストッパーとして機能している部分がある。
紘汰自身もたくさん過ちを犯しながら、そこにたどり着いた。
「いつまでもストッパーじゃなくて自分の行きたい道を決めろ」と戒斗には言われたわけですが……。
ストッパーをやる、と紘汰が決めたのなら、たぶんそれが紘汰の行きたい道なんだろうなー。
そういえばずっと放置されてますけど、沢芽市の外の世界ってどうなったんでしょうか。
ロシュオがクラックを開きまくったせいで世界的に大混乱が起きてるはずなのですが。
そこらじゅうにヘルヘイムの植物が広がってるだろうし、食っちゃった人間はインベスになるし、対抗手段になりうるドライバーを造ってたユグドラシルは失脚してるしで、事態が収束する見込みがまったくない。
紘汰や戒斗だけが死んで、残された人々のインベスを駆逐するための戦いがこれから始まる……とかそういうオチになるのか。
あるいは、それを全部ひっくりかえすロジックがこれからもたらされるのか。
風都や天ノ川学園みたいな箱庭に留まらず、その外側に被害が及んだからには、外側をどうするのか、というところにも何らかの結末をもたらさなければいけない、と思うんだけど。
あと結末ということで言えば貴虎ね。
本人がいなくなってからずいぶん経ちますが、果たして彼の運命やいかに。とはいえ「マスク割れしつつ水落ち」って
橘さんが10年くらい前に通った道
なので、「実は生きてましたー」ってひょっこり出てきても受け入れる覚悟はあるよ。