『仮面ライダー鎧武』第37話感想 ~バナナ男、はじめてのサッカー~
カモン!カモン!カカカカモン!カモン!
みんな大好き仮面ライダーバロン・駆紋戒斗を演じる小林豊氏は、かなりの運動音痴であるということが知られています。
・森の中をちょっと歩いただけで足をくじく
・高いところからジャンプするとスタッフから拍手が起きる
・ダンスでときどき足が上がってないと指摘される
・リフティングが平均して2回しかできない
と、枚挙にいとまがありません。
そんな人がサッカー回なんぞ担当して大丈夫なのかという不安でいっぱいだったのですが、蓋を開けてみればそこそこ面白い映画コラボ&息抜きのギャグ回だったんじゃないかという印象。
『ウィザード』もこの時期につまんない九官鳥ギャグ回とかサッカー回やってたしね。放映のタイミングが悪かったのは言い訳できない事実ですが……。
あとは戒斗というキャラクターの再確認か。紘汰・ミッチ・貴虎の三人が悩んだり走り回ったり壊れたりしている中で、戒斗さんだけが精神的に一段高いところにいてアドバイザー的役割を果たしているのがここのところの『鎧武』なのですが。
戒斗にだって葛藤とか悩みが皆無というわけではないと思うんですよ。
今回、極アームズと真っ向勝負をして、なすすべもなくやられてしまった。ゲネシスドライバーを手に入れるまで負けまくっていたバロンも、鎧武と一対一で直接対決して負けるのはこれが初めてと言っていい。
前々から紘汰のことは強者として認めていた戒斗ですが、このエピソードで挫折というか敗北の味を久々に思い出したはず。
そんな状況でサッカーの世界に飛ばされてサッカーの練習に邁進できるというのは、話の都合と言ってしまえばそれまでですが、戒斗の持つ強さの一端を示している。
すなわち、現状に対して前向きに努力できる、というところ。
「ぶざまなシュート」とまで言われるほどにサッカーがヘタクソだった戒斗が、真面目に練習を重ねてシュートを決めてみせる
という展開は、ギャグ回ではありましたが成長の物語としては意外と筋が通っているんじゃないかなーと。
昨年の主人公・晴人の名台詞、「今を受け入れて前に進む」を『鎧武』でもっとも実践できているのは、たぶん戒斗。
戒斗が世界の危機にどう立ち向かうか、というのは、紘汰の今後と同様に楽しみです。
なお余談ですが。
平成ライダー史上最強のネタキャラ・橘さんを演じた天野浩成氏は、『仮面ライダー剣』クライマックス撮影の真っ最中に、
サッカーやってて骨折した
という伝説を持っています。
やっぱりダディには誰も勝てないわ。
あとはサッカーの陰に隠れてちょいちょい小ネタを披露してた回だったなーと。
・宙を乱舞するバナナ
・バッタ風味の怪人がRXキック
・中の人が歌う挿入歌が流れる中で負ける2号ライダー
などなど。鎧武の作風だとギャグを挟めるエピソードが少ないので、ぶち込める時にとにかくぶち込んでおこう、みたいな。
さて次回は……
「兄・貴虎を倒し、レデュエの前で強気に出る光実だったが、その目の前に貴虎の幻影が現れる。幻影と言い争いを始める光実に、レデュエもただ首を傾げるばかりだ。」
帰ってこいミッチ!