『仮面ライダー鎧武』第34話感想 ~ミッチをオチに使うのはやめろって~
わざわざ自分から煽りにいく男・戒斗。
というわけで、ミッチの何がダメなのかくっきり見えてきたエピソードだったかと。
問題点は明白で、いろんなことを他人任せにし過ぎたことですね。
最初の頃は、紘汰がダメなら自分が、とばかりにドライバーを手に入れて、チームのためにけっこう必死こいて頑張ってたんだけど。いつの間にやらとにかく他人を使って、自分の手は汚さずに、うまく立ち回ろうとするようになった。
そういうミッチの態度が、とにかく自分がやるんだ!と突っ走ろうとしてる戒斗には気に入らない。だから今回も煽るような真似をするわけですね。
ミッチがこうなった転機はどこなんだろうなー。いま思い返すと、やっぱり貴虎との関わりに加えて、紘汰の裕也殺しがデカいかな。
裕也の死を知る15話、ヘルヘイムの真の姿を知る16話あたりまでは、ミッチにもそこそこ気概があったように思うんですが。
本人より先に紘汰の裕也殺しを知ってしまった時点でアウトだった気もします。
さらに言えば、それをなんとしても隠さなければ、と思ってしまったのがミッチの最大の失敗。
確かにその事実を知ったら紘汰も舞も悲しんだり苦しんだりするのはわかってるんだけど、それを知らないままで本当に紘汰たちは納得するのか? ということ。
知らなかったら紘汰も舞もずっと前には進めなかったし、現にその事実を知らされても紘汰も舞もちゃんと立ち直って、(方向性はともかく)行動している。
たぶんミッチは紘汰の裕也殺しに対して当の本人よりもショックを受けたと思うんだよね。敬愛する人がその親友を手にかけてしまった、ということだから。
で、そんな自分の弱さに気づいたミッチは、他人についても「弱さ」しか信じられなくなってしまった……と、かなりミッチに好意的な解釈をしてみたり。
そんなミッチを、紘汰は「強い」と評している(5話にて)のがまた悲しいと言えば悲しい。
あと、手を汚すという点においては、裕也をすでに殺してしまった紘汰の方が一歩先を行っている。紘汰が人類を救う、という点において愚直に突き進むのは、すでに戻れない一歩を踏み出しているからこそ、でしょうね。
極アームズ変身直前に言った台詞、
「後悔なんてしてる暇はない。俺は先に進む!そう裕也に誓ったんだ!」
なんかからも、そういう紘汰の意思がうかがえます。明確な表現は少ないけど。
以下、今回のポイントというか小ネタ。
・人類をサルと表現するオーバーロード……なのですが。
今回はレデュエがパソコンを褒めてたけど、フェムシンムはどういう発展を遂げた文明だったんだろうなー。いつだったかヘルヘイムの森に残ってた家屋や食器らしきものを見る限り、地球ほど技術的に発展してたようには見えなかったんだけど。
デェムシュなんかを見るに、「頭を使う」という点においてサルと呼ばれるべきはむしろフェムシンムなのでは?と思ったり。
・服装の変化というのは心境の変化を表してるよね、と思ったのがひとつ。
今回の紘汰と戒斗の会話を見てふと考えた。いまだにいろんなことを決めかねている紘汰はしょっちゅう服も色合いも変わってる(共通点はオレンジ色が組み込まれてること)けど、もう道は一本だけだ、と決めてる戒斗は初期からずっとチームバロンの衣装ですね……あの重たくて暑そうな服!
今回ガレージで洗濯物を干してるシーンがあって、そういえばみんな着替えの服どうしてるんだろうと考えたんですが、戒斗の私服って想像がつかない。
あのバロンスーツばっかり何着も持ってそう。
・インベスって知性もへったくれもなくなって本能で動くイキモノだと思ってたんだけど、オーバーロードの命令ならちゃんと従うんですね。
レデュエが沢芽市に侵攻した段階で後ろにくっついてきてるインベスがいっぱいいたからある程度想像できたことではあるんだけど。人間をさらってユグドラタワーへ連れていけ、なんて命令が聞けるくらいには賢かった様子。
人を抱え上げたり足引きずったりしてる上級インベスの皆様がコミカルでした。
あとこれ。
諸田監督は凰蓮の初登場回で監督を務めた人だからか、凰蓮たち脇役を面白く扱ってるなあという印象がある。ザック・城之内・凰蓮のトリオが結構いい雰囲気になってきた。戦力的には不安ではあるものの。