横須哲斗のごった日記

仮面ライダーを中心にまったり語るブログ。アニメ・漫画・小説・ゲーム・映画など諸々。

『仮面ライダー鎧武』第40話感想 ~フルーツジュースにしてやるぜ!~

降臨!きれいなデュデュオンシュ。

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 えー、個人的には非常に満足感の高い回でした。幼稚園くらいのちびっこは振り落とされていきそうな話でもありましたが。

仮面ライダーの対象年齢設定ってスーパー戦隊シリーズより若干高めだし、小学生くらいなら話を理解できるかなーという感覚があるけれども、どうなんだろう。

 そんなわけでとうとうここまで来たよ紘汰! 長かったなお前!

 

仮面ライダー鎧武』というのは、大雑把にいえばアホのにーちゃんが少しずつヒーローになっていく話。なのですが、その歩みは亀より遅い上に、あさっての方向に行ったり引き返したりしていました。

今回はようやく大きな一歩を踏み出し、葛葉紘汰は「仮面ライダー」鎧武になったんじゃないかなと。

遅すぎる? それを言っちゃあおしまいよ。

では、ちょっと紘汰の台詞を引用。

 「誰が仲間か……誰のための世界か……そんなことはどうでもいい」
「ここには、死なないでいてほしかった奴がいた。そしてまだ、生き延びてほしい人たちが残ってる」

「俺の味方かどうかなんて関係ない。守りたいものは変わらない! たとえ俺自身が変わり果てたとしても!」

「犠牲なんかじゃない。俺は俺のために戦う。俺が信じた希望のために、俺が望んだ結末のために!」

 ヒーローものってたいていこのくらいの決意は始まる前から済ませてたり、割と序盤で済ませたり、そもそもあんまり考えてなかったりするのですが。

普通の人がある日変身能力を得たとして、そんなにあっさり割り切れるか? あるいは深く考えるか?

紘汰もまた、ずっと割り切れなかったし、考えてこなかった。自分が異形の存在になってるという自覚さえもなかった。

今回それに気づかされて、もしかしたらありえたかもしれない立場で裕也と対峙したことで、ひとつ決意を固めるところまで到達する。

その上で、自己犠牲ではない! と言い切らせる。でもその一方で、自分に言い聞かせるように「後悔なんてしない」とわざわざ言っているので、たぶん本心ではまだちょっと迷いというか割り切れない部分は残ってるんじゃないかなあ。

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このラストカットの佐野岳はものすごくイケメンでした。

微妙に本郷猛の顔にダブって見えたのは私だけかしら。

 

『鎧武』は全体のストーリーの流れとして、紘汰が何かしら変化するというところに盛り上がりを持ってきてるんですよね。

11話:ユグドラシルの暗躍を知る
23話:カチドキアームズ獲得。ユグドラシルによる救済を否定
31~32話:極アームズ獲得。オーバーロードとの融和を断念
40話:戦う理由を見出す

そしてこれは、無限に見えていた未来からいろんなものを諦めて、紘汰が自分なりの〈正義〉を模索してきた経緯でもあります。

何らかの〈正義〉=思想を持たなければ、ヒーローではない。〈正義〉がないとヒーローではないけれども、その〈正義〉が万人に承認されるとは限らない。

紘汰の場合はそもそも、他人の〈正義〉をひたすら否定し続けるだけで、自分の〈正義〉があんまり無かった。なので、それを見出し始めた今回は、私の琴線に触れた、とそういう話です。

ここから他の連中や、間近に迫ってる世界の危機にどんな対応を見せていくのか。

 

ただ、『鎧武』は合う合わないが個人によってはっきり分かれる作品で終わりそうですね。デザイン段階でわかりきってたことですが、物語としても。

平成ライダーはどの作品も個性が強すぎるから向き不向きが多少なりともあるものなんですが、『鎧武』は特にその差が大きい。どのキャラを好きになるかでまた印象も変わってきそうだし。

 

紘汰のインベス体としてはビャッコを再々利用。裕也・初瀬の使い回しですが、結果としていい対比。戦闘シーンなんかも初瀬ちゃんが死んだ場所とかぶせてきてたのは、意図的なものでしょう。撮ったのも同じ石田監督だったしね。

※追記・初瀬ちゃんが死んだ回は石田監督じゃなくて諸田監督でした すみません

自分が初瀬と戦った場所で、裕也が変身した鎧武にインベスとして追いつめられるという絵面がなんかいい。

 

その裏で始まる戒斗とミッチの激突。最初期の頃はこの二人がこんな対立関係になるとは思ってもみなかった。

勝ち誇りつつこっそりベルトに損傷を受けてしまったミッチですが、そろそろ斬月を捨てて龍玄に戻す時期が来たかな。

この二人は早々に〈正義〉を持っていて、それを好き勝手に振り回していたんですが、戒斗は腕の傷、ミッチは闇堕ちと、どちらにも終局が見えてきた感があります。

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あと戒斗は怪しげな機械を考えなしにキックで壊すあたり、

テレビが映らなくなったら叩いて直すタイプの人間だと思う。