『仮面ライダードライブ』第9話感想 ~タイプテクニックはクールに去るぜ~
精密動作! 背面撃ち! 10トンの錘を持ち上げるパワー!
タイプスピードの肩身がどんどん狭くなっていく……。
今回は、面白かった!
前回の感想記事で、「事件回なら事件をしっかり解決、販促回なら販促をやってほしい」ということを書いたのですが、今回はまさにその通りの販促回。
今回現れたロイミュードの目的などは後編にぶん投げて、新フォーム&新武装でスカッと敵を倒す、というところに注力していました。
それでいて、ゲストの少年・輝彦を出すことによって、最低限ながら事件ものとしても筋を通している。
輝彦の「発明おじさん」という一言によって近所に住む発明好きの老人と少年、というゲスト間の関係を匂わせつつ、おじさんが以前作ったor直してくれた?らしきおもちゃのロボットが、放火事件のトリックを解き明かすカギになる。
囚われた輝彦を助けることは仮面ライダーにもできない、と言い放つボルトロイミュードに対して、静かな怒りを感じる進ノ介。
そして土壇場でタイプテクニックへの変身に成功。見事に輝彦を救い、怪人を倒してみせる。
5話(タイプワイルド登場回の前編)でもそうでしたが、
エピソードで起こった事件と主人公の成長(パワーアップ)がうまく噛み合った流れとして組み立てられており、完成度が高い。
タイプワイルドは後編の落としどころがちょっと微妙だったものの、今回は割とよかった。しつこくなかった、と言いましょうか。
さっぱりと仕上がった、おおむね文句なしの出来栄えです。
「クール」って何だよ、という点については、気にしたらたぶん負け。
あとはたぶん、チェイスさんがしゃしゃり出てこなかったのが個人的に大きい。
初登場の3話以降、ドライブが魔進チェイサーと対決せずに終わったのは、実は今回が初めて。
魔進チェイサー関連のおもちゃを販促する必要もあったとはいえ、毎回小競り合いしていたのは話のテンポを悪くしていた感があります。
この小競り合いが今後の展開に活きてくればなおよし、なのですが。進ノ介の性格や相次ぐドライブとの戦闘が、チェイスの精神に影響を与えていたとか。
今のところチェイスの心に一番影響してるのはたぶん前回の霧子との因縁ですが。
チェイスの正体含めて、散りばめられた謎は視聴者がストレスを感じないうちに明かされていってほしいところ。
タイプチェンジに「パッション」や「クール」といった感情が必要とされる理由とか、ベルトさんが進ノ介を2代目ドライブとして見出した経緯とか、語られていないことはたくさんあるので、ぜひとも驚きを提供してもらいたいですね。
謎と言えば、ボルトロイミュードが下っ端に託してハート様に届けた謎のパーツ。
「発明おじさん」の素性なんかも今回まったく語られなかったので、次回はその辺を拾いつつハート様と初の直接対決、という形になるのかな。
予告ではタイプワイルドをあしらっていたハート様ですが、果たして……?
ちなみに今回のゲスト・発明おじさんを演じるは、『仮面ライダーW』でバーバー「風」のマスターに扮していた、あご勇氏。
ナスカ退場回での依頼人、といえばわかりやすいでしょうか。
『W』に出ていた時は思春期の娘を案じる気の弱そうなオジサンでしたが、今回は怪演という言葉がぴったりでした。課長といい3・4話のルー大柴といい、おじさん俳優の配役に当たりが多いね今作。
しかし東映特撮の出演経験者がゲストに多いなー。