『仮面ライダードライブ』第12話感想 ~炸裂! 音速の巨匠演出~
これぞ全力投球。
ギャグシーンの悪ノリがすさまじい(あと演技指導が厳しい)ことで有名な石田秀範監督がいよいよ『ドライブ』に登板。
もはや暴投レベルの演出を見せてくれました。
これは拒否反応を示す人が多そうだ、というのが今回の第一印象。
個人的には石田監督の演出はさほど嫌いではないものの、それにしても今回はふざけすぎかなと。
それがシナリオとうまくマッチしていれば割と気に入る(『ウィザード』で仁藤の友達が出てきて運勢を操作される話とか)のですが、今回は脚本との相性もいまひとつ悪かったかな?
新ライダーのかっこよさをとにかく前面に押し出さないといけない回ながら、ちょっとコミカルにし過ぎた感じもあり、演出が山盛りで電子音声が聞き取りにくかったりで。
ギャグ演出をバトルシーンに持ち込む云々という以前に、見づらい&聞きづらい。
マッハのギミックそのものはすごく面白かっただけに、演出で損をしてるなあ……。
それはさておき、進ノ介のお株を奪う推理力と行動力を見せた詩島剛。
霧子に対しては親しげな様子を見せていましたが、進ノ介に対してはからかうような調子で接するあたり、自分の方が仮面ライダーとしての実力は上だ、という自負がありそうな。
進ノ介がグローバルフリーズで早瀬を失ったというロイミュードとの因縁を持っているのに対して、剛は今回の描写を見る限りでは飄々としていて、仮面ライダーとしての活動をどこか楽しんでいるような雰囲気。
わざとああいう性格を気取っている、という可能性もありますが。
でも剛がマッハになったことと霧子がドライブのサポート役に選ばれたことは決して無関係ではないと思うんですよね。
あと「剛」という名前はもう完璧に仮面ライダー2号のオマージュだよなーと(2号ライダーこと一文字隼人を演じたのが佐々木剛氏)。
そしてついに明らかになる霧子の自宅……!
タイムピンク・ユウリさんなどを彷彿とさせる、家事できなさそうな一面を披露。
警察という「仕事場」が活動拠点なだけあって、特状課メンバーの私生活は謎だったので、これからはキャラクターの色々な姿を見せていってほしいところ。
その一環ということなのでしょうか、捜査会議に参加する現さんとか、外で進ノ介と話す究ちゃんとかは今回「いいなあ」と思ったポイント。今まではどうしても特状課のあの部屋で細々とやってるイメージが強かったもので。
捜査シーンでは小刻みにメンバーを外出させてはいるんですが、どうも印象が弱かったのよね。
メンバーの新しい一面を見せていくうえで、その第一弾が霧子、というのはまあ納得の選択。
ただ、進ノ介たちがチームとして出来上がっている、というには少々弱いと思います。
今回で現さんが特状課に馴染んできた、という会話がありましたが、まだメンバーが一丸となって事件を解決するぜ!という雰囲気ではない気がするんですよねー。
『フォーゼ』なんかだと、1クールかけて仲間を増やす過程を描いたうえで、流星を出すことによって仮面ライダー部を「外」から見る、という構造が成立していましたが、『ドライブ』はまだその域には届いてなさそう。
剛というキャラクターが起爆剤になってくれるといいな。
一方のロイミュード側も新幹部メディックが本格参戦。いまだ人間態のみの登場ですが、ベルトさんとはお互いすでに顔見知りの様子?
ハート様にだけ敬称をつけ、ブレンとチェイスを呼び捨てにするメディックに対し、ブレンは複雑そうですが容認寄り、チェイスは微妙な反応です。
チェイスに関する謎を散りばめるのもそろそろ限界近いかと思うのですが、チェイスのギアが入るのはいつなのか。
ちなみに本日の怪人ガンマンロイミュードを務めるは、かつて『仮面ライダーウィザード』でケットシーを好演してくれたベルナール・アッカ氏。
ほんとに平成ライダー出演経験のあるゲストさんが多いですね今作は。
次回は早くもライダーバトルが実現。
マフラーと2本のアンテナのおかげで、横から見るとかなり正統派ライダーのマッハに、ドライブはどう立ち向かうのか。