横須哲斗のごった日記

仮面ライダーを中心にまったり語るブログ。アニメ・漫画・小説・ゲーム・映画など諸々。

『装甲悪鬼村正』クリア ~気を抜くとバッサリやられる、そんなお話~

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ブログ放置はこいつのせいです。

というわけで、今月に入ってからずっと、ゲーム『装甲悪鬼村正』をやっておりました。ニトロプラスから5年前に出たアダルトゲームです。

買ったのは何ヶ月も前だったのに、起動したときに出た「残酷シーンやグロテスクなシーンが云々」という注意書きで「うわーグロいのか」とプレイすることなく回れ右。アダルトゲームに限らずグロ系はあまり得意じゃない(まあ得意な人の方が少ないでしょうが)し、精神的に元気な時じゃないと消耗が激しいので。

で、ふと思い立って今月の頭くらいから始めたんですが、シナリオが走り出すともう止まらない止まらない。グロテスク要素が想像してたほどには酷くなかったこともあり、家にいる時に少しでも時間が空けばパソコンにかじりついてマウスホイールをコロコロしておりました。

一昨日などは『鎧武』の放送がお休みなのをいいことに、朝の6時から起きてパンをかじりつつパソコンに向かうというダメな大人まっしぐらのプレイ。

 

さてどういうゲームかといいますと。

むちゃくちゃ面白い作品。

と、これだけでは伝わらないので軽く真面目に説明。

舞台は架空の20世紀、大和(いわゆる日本)。鎌倉~室町時代あたりの制度というかシステムをある程度残したまま近代化した感じ。

「劔冑(ツルギ)」と呼ばれるパワードスーツ発祥の国である大和は、英国を中心とする連合国と戦争をしていたものの、国の実権を握っている政府「六波羅」の恭順によって欧州軍の駐留を許す結果に。

六波羅の圧政のさなか、関東地方の各地において無差別殺人事件が連続発生。町や村の人間が軍人・民間人問わず全滅するというその凶悪事件は、白銀の劔冑「銀星号」の手によるものだった。

非公式の警官である主人公・湊斗景明が、呪われた劔冑「村正」を駆って銀星号を追う中で、様々な人と出会い、国を揺るがす争いに巻き込まれていく……と、こういう話。

 

分類としては「燃えゲー」とか呼ばれてるジャンルですかね。ストーリー重視でアクションバリバリの。まあニトロプラスの作品はそんなのばっかりな気もしますが。

前々から面白いらしいという話だけは聞いていたのですが、内容も何も知らず、攻略サイトにも頼らない完全初見プレイで堪能しました。

何が面白かったのか、と言われると、

全部。

としか答えようがありません。シナリオ、キャラクター、演出、どれをとっても高水準。

とにかく和風を全面に押し出したゲームで、音楽はもちろんのことテキストは縦書き、劔冑も武士の鎧をモチーフにしたデザインのものばかり。私が買ったのは通常版ですが、限定版は木箱に入っていたとか。とにかく凝りようが素晴らしい。

アダルトゲームはあまりやる方ではないので偉そうなことは言えませんが、私が今までプレイしてきたアドベンチャーゲーム(非18禁含めて)の中でも5本の指に入るデキ。

 

ついでに言えば、ヒーローものとか「正義」という概念について考えるのであれば、避けては通れない作品だと思います。

主人公機である村正の持つ呪いとは、ざっくり言えば「悪人を殺したらそれと同じ数だけ善人も殺さなければならない」というもの。

銀星号によってもたらされる災禍と、その過程で関わる様々な事件。それに立ち向かいながら、自身の戦いについて回る呪い「善悪相殺」に直面する主人公・景明の葛藤。

善悪や正義とは何なのか、個人がそれを決めて他人の生命を奪うとはどういうことなのか。

少なからぬ人が素通りしてしまっている「正義」という問題に対して真っ向からぶつかって悩み続ける、そういう作品です。

このブログもさんざんヒーローものについて書き散らしているわけですが、なんかヒーローという存在に対する考え方が変わりそうな予感。

 

総じてこの「村正」、非常に面白い作品だったのですが、

惜しむらくは万人に薦められる作品ではないこと。

万人に合うゲームなど無いとはわかっているのですが。

それでも長々しいバトルの解説とか、ときおり登場する必要性の薄いパズル要素とかはちょっと人を選びそうかな、と。

あと女性のサブキャラの扱い。

このゲームにおいて、いわゆる「攻略ヒロイン」以外の女性キャラは、殺されるか性的に凌辱を受けるかのどっちかです。慣れてくると女性のサブキャラが出るたびに「さーて、この女の子はいつ悪漢にやられるのかしら」と身構えるくらい。

それに耐えられない人はちょっとプレイがキツいかもしれない。攻略ヒロインに関してはそういうことは一切ないので、安心できるとも言えますが。

 

それでもやって損はなかった、と断言できます。本当に。

昨日の深夜に最後までクリアしたのに、この記事を書くかたわら2周目プレイをスタートさせる程度には気に入りました。

個別ルートとか細かく言いたいことは色々あるので、この記事、しばらく続く。